起業の資金リスクを下げるための開業資金の計算方法

新規に開業する人は、おそらくこれまでやっていた仕事を辞め、起業して勝負に出るという人が多いと思います。

そのような事情もあり、失敗するわけにはいきませんから、開業にあたっては十分な開業資金を用意しようと考えるでしょう。

しかし、開業資金はどのくらいあれば十分なのかが分からなければ開業資金を調達することもできません。

明確な基準を持たず、「これくらいあれば大丈夫だろう」と感覚的に決めてしまうと、後で資金不足に陥って倒産ということにもなりかねません。

開業資金は、明確な基準をもって算出し、その全額を調達すべきです。

そこで本稿では、開業資金の正しい計算方法について見ていきましょう。

起業は失敗する確率の方がはるかに高い

これから起業しようという人の多くは、それまでやっていたサラリーマンなどの仕事を辞めて起業に挑戦することと思います。

もし失敗してしまえば、再び求職活動から始めなければなりませんし、それどころか借金だけが残って人生が狂うということにもなりかねません。

起業するからには、失敗は許されないのです。

それでも、多くの会社は起業後まもなく倒産します。

起業した中小企業の生存率を見てみても、起業後3年以内に50%の会社が倒産していきます。

CF イエロー
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5年後に生き残っている会社は14.8%に過ぎないわ。

起業は、失敗する確率の方がはるかに高いのです。

では、どうしてこんなにもたくさんの会社が、起業に失敗しているのでしょうか。

起業に失敗した人の中には、情熱と計画性をもって起業した人もたくさんいることでしょう。

それでも倒産してしまうのはなぜなのでしょうか。

簡単に言ってしまうと、倒産の理由はお金がなくなったからです。

会社は、赤字を出しただけでは倒産しません。

赤字を出しても、お金があり、従業員への給料の支払いや仕入れ先への買掛金の支払いができれば、倒産することはありません。

起業後まもなく倒産してしまう会社は、起業後まもなくお金が足りなくなった会社であると言えます。

創業期に必要となる資金の計画が甘かったために、お金が足りなくなってしまったのです。

創業期には、想定していなかったコストがかかるものですし、売上も思うように伸びて行かないものです。

そんなとき、創業期の資金計画がしっかりしていれば、多少赤字が続いても持ちこたえることができます。

そのうちに、事業が軌道に乗る兆しも見えてくるかもしれません。

しかし、創業期の資金計画が甘かった会社は、赤字が続けばたちまち資金ショートを起こし、事業自体には可能性があっても倒産してしまうことになります。

したがって、起業にあたっては、資金計画をしっかりと立てておくことが重要となります。

特に、開業にあたって必要となる開業資金はしっかりと計算し、自己資金で賄える金額と外部から調達するお金を明確にし、十分なお金を準備したうえで開業する必要があります。

CF ブルー
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起業が成功するかどうかは、お金が足りているかどうかによるところがかなり大きいのだ。

そのため、開業資金をきちんと計算して十分に準備するかどうかによって、起業の成功が大きく左右されます。

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開業資金は四つに分けて考える

では、開業資金を計算するには、どのように計算するのでしょうか。

当たり前のことですが、必要資金は足し算によって算出します。

そこで、何を足し合わせるかが問題となってきます。

開業資金を構成する要素は、以下の四つです。

  • 開業準備資金
  • つなぎ資金
  • 赤字補填資金
  • 生活資金

これらの四つを足し合わせたものが、開業資金となります。

開業準備資金

これは、開業の準備に必要となる資金のことです。

開業のためには、色々な設備の導入が必要ですし、消耗品や在庫などの購入も必要です。

また、様々な支払いも必要となるでしょう。

これらを足し合わせたものが、開業準備資金となります。

設備資金その他

まず、設備導入のための資金を考えます。

これは、製造業ならば製造のための機械を購入する資金が必要ですし、小売店ならば商品を陳列するための什器や、レジで使うキャッシュレジスターを購入する必要があります。

飲食店ならば厨房設備なども必要でしょう。

運送業ならばトラックなども必要となります。

その他、多くの業種において、パソコンや営業車なども必要になると思います。

これらの設備資金には、多額のお金がかかります。

しかし、これらの設備は、一旦購入したならば、その後長期間にわたって使用可能であり、売上に貢献してくれます。

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消耗品や在庫

開業にあたって、消耗品の購入も必要です。

飲食店ならば色々な食材や洗剤、食器などを買っておく必要がありますし、多くの業種では事務用品などの消耗品を揃えなければなりません。

小売店ならば、あらかじめ商品を購入して在庫を抱え、陳列してから開業する必要があります。

このように、開業にあたって一度は揃えてしまわなければならない、消耗品や在庫があります。

それらを購入する資金も、開業準備資金となります。

その他の支払い・購入

その他の支払いには、店舗や倉庫を借りるための敷金や保証金などがあります。

場合によっては、店舗や土地を購入して開業する場合もあるでしょう。

購入した土地や店舗、差し入れた保証金などは、時間の経過や契約内容によって価値が変動することはありますが、基本的に価値がなくなってしまうことはありません。

このような資産も、結果的には売上に貢献してくれるものですが、設備資金とはまた意味合いが異なるので、分けて認識しておく必要があります。

上記のような、開業にあたって必要となる色々な資金や支払いを足し合わせると、開業準備資金を知ることができます。

つなぎ資金

つなぎ資金とは、つなぎの資金のことです。

売上がまだ入ってきていない段階で支払いが発生する場合、資金繰りをつなぐために使う資金のことを言います。

上記の通り、開業時には消耗品などを始めとした、色々なものを購入する必要があります。

このような消耗品は、過剰在庫にならないことが前提ですが、できるだけまとめて購入し、購入単価を下げるのが普通です。

まだ販売していない段階でまとめて購入し、在庫を抱えるということは、資金繰り的にはマイナスの状態から始まるということです。

原材料を仕入れ、加工して商品にし、販売して、初めて売上となります。

しかも、現金商売でない限り、数ヶ月後の入金を期して掛売りするのが普通です。

そのため原材料を仕入れ、加工して商品にし、販売し、数ヶ月後に売掛金を回収して、ようやく会社に現金が入ってくることになります。

しかし、その間にも支払いは発生しています。

  • 仕入れ代金の支払い
  • 在庫管理費
  • 営業その他のための交通費
  • 事務所家賃
  • 通信費
  • 水道光熱費
  • リース料
  • 従業員の給料

など、色々な支払いをしていかなければならないのです。

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つまり、販売と売上金回収にラグがあるということだ!

売上金を回収する前に発生した支払いをするためのお金が、つなぎ資金です。

このような性質ゆえに、販売と売上金回収のラグが大きければ大きいほど、たくさんのつなぎ資金が必要となります。

つなぎ資金が多く必要となると、経営は安定しません。

したがって、売掛金の回収までの期間をできるだけ短くし買掛金の支払いはできるだけ遅らせることが好ましいと言えます。

しかし、起業したばかりの会社は、取引先を順調に確保できる保証はなく、取引するのは新規の取引先ばかりです。

交渉での立場は弱く、販路を広げていくためには多少悪い条件も呑まなければならないことが多いです。

したがって、起業したばかりの会社には、絶対につなぎ資金が必要となります。

それも、ぎりぎりのつなぎ資金を準備するのではなく、事業のために必要となる経費の2ヶ月分を用意するなど、ある程度余裕のあるつなぎ資金を考えておきましょう。

赤字補填資金

赤字補填資金とは、赤字の際に資金繰りを回すための資金のことです。

創業時には、十分な収益を得られない可能性も高いです。

特に1年目は顧客も安定しませんし、赤字になっても仕方ない側面があります。

しかし、赤字になったとき、お金が回らなくなれば倒産です。

赤字になっても、店舗家賃やリース料といった固定費用の支払いは毎月発生しますし、買掛債務に応じて支払いも発生します。

それらの支払いができなければ、倒産するほかありません。

そうならないためにも、赤字になったときにお金が回っていくように、赤字補填資金を用意しておく必要があります。

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赤字の会社には、金融機関は融資してくれないのが普通よ!

金融機関と良い付き合いをしてきた会社ならば、その赤字があくまでも一過性のものであることを納得してもらって、初めて融資を受けられることもありますが、基本的には赤字の会社は融資を受けられません。

なぜならば、銀行から融資を受けた際の返済原資は、利益だからです。

赤字であるということは、利益が出ていないということであり、返済原資が生まれていないということです。

つまり、返済能力がないということであり、金融機関はそのような会社に融資をするリスクを負いません。

ましてや、創業間もない会社には、金融機関との取引実績も、経営実績もありません。

そのような会社が赤字であるからと言って融資を申し込んでも、融資など受けられるはずがありません。

このため、これから起業する会社は、赤字になる可能性を十分に認識し、赤字が続いても持ちこたえられるだけの赤字補填資金を準備しておくべきなのです。

上記の通り、起業に失敗する会社は非常に多いのです。

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その多くは赤字補填資金を十分に用意していなかったことが原因だ!

事業計画がどれほど立派であっても、情熱があっても、先立つものはお金です。

希望に満ちた事業計画があっても、それが計画通りに行くとは限りません。

したがって、事業計画書を作る際には、自分用に悲観的な事業計画書を作っておき、最悪の場合でも耐えられるだけの赤字補填資金を準備しておくようにしましょう。

そうすれば、期待通りに事業が進んでいかなくても、すぐに倒産することはなく、様々な対策を練りながら軌道に乗せていくことができます。

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例えば、事業計画書において、初年度の売上を2000万円と予測したとしよう。

実現性の高い事業計画を作っているはずですから、最悪のケースといえばこの8割くらいしか達成できなかったケースでしょう(もし8割を下回るような可能性があれば、それは実現性の高い事業計画とは言えず、公庫融資なども厳しくなるため、事業計画の見直しが必要となります)。

2000万円の売上を予定しており、その8割しか達成できなかったとすれば、予定よりも2割減の1600万円の売上となります。

これでは、売上原価、販管費、営業外費用、税金などを考慮した時、資金がショートする可能性があります。

そこで、200~400万円程度の赤字補填資金を準備しておくことによって、赤字に備えておくのです。

生活資金

生活費とは、起業家自身の生活費のことです。

サラリーマンをしていたころは、週に5日間、朝8時半に出勤して、17時に退勤して、給料をもらっていました。

残業すれば、残業時間に応じて残業手当がついていたことでしょう。
つまり、労働に費やした時間の対価として、給料をもらっていたのです。

時給制のアルバイターでも、月給制のサラリーマンでも基本的に同じことです。

しかし、起業したならばどうでしょうか。

全ては利益次第で決まります。

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いくら長時間働いても、利益がゼロならば給料もゼロだ!

逆に、サラリーマン時代より労働時間が短くなっても、しっかりと利益が出ていれば、サラリーマン時代よりたくさんの給料をもらえます。

繰り返す通り、創業期は売上が安定せず、赤字になる可能性も高いです。

だからといって、給料がゼロというわけにはいきません。

結婚している人ならば、家族を養う必要もあるでしょうし、独身の人にも生活はあります。

人間は、経済的に困難な状況に追いやられた時に、精神的な苦痛を味わいます。

うつ病患者の中には、経済的理由からうつになっている人が非常に多いことからも、このことが良くわかります。

創業期は、最も大変な時期です。

そんなときに、生活費のことで煩わされるわけにはいきません。

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生活の必要があるからと冷静さを失うと、事業はますます困難となるわ。

不利な条件で取引してしまって資金繰りが厳しくなったり、支払い力の低い取引先と取引して貸し倒れを起こしてしまったり、場合によっては詐欺に遭ってしまったりして、起業が失敗してしまうことになるのです。

そのようなことにならないためにも、生活資金もある程度確保したうえで起業すべきです。

少なくとも、1年分の生活費くらいは確保したうえで起業しましょう。

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返す必要のない、助成金で資金調達する方法もあります。

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開業資金を試算しよう

以上のように、開業資金の構成要素には開業準備資金、つなぎ資金、赤字補填資金、生活資金があります。

これらの要素から開業資金を試算してみてください。

例えば、それぞれの要素を計算してみた時、

  • 開業準備資金:設備投資に1000万円、消耗品の購入に100万円、事務所の保証金として50万円
  • つなぎ資金:300万円
  • 赤字補填資金:300万円
  • 生活資金:400万円

となったならば、これらを全て足し合わせた2150万円が、開業に必要な資金となります。

仮に600万円の自己資金があったならば、

  • 自己資金:600万円
  • 地方自治体の制度融資:600万円(制度融資は自己資金と同額が融資上限となっているため)
  • 日本政策金融公庫からの融資:950万円

といった形で開業資金を集めていくことになります。

もちろん、起業にあたって利用できる助成金や補助金があれば積極的に活用し、資金調達に役立てるという方法もあります。

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まとめ

きちんと計算することで必要十分な開業資金を準備しておけば、過大な開業資金を集めようとして起業できなかったり、開業資金が足りなくて倒産してしまったりすることがなくなります。

サラリーマンという安定した立場を捨てて起業することには、当然ながらリスクが伴います。

そのリスクをできるだけ小さくするためにも、開業時点で資金リスクを回避することが重要なのです。