少子化対策と雇用の意外な関係を知れば、助成金活用の幅も広がる

政府は、少子高齢化対策に取り組んでいるものの、思うように効果が得られていません。

2018年の合計特殊出生率は1.42にダウンし、政府が目標とする1.8を達成するためには、今後も様々な取り組みが実施されることでしょう。

少子高齢化と雇用は、意外なほどに密接な関係にあり、企業の人材問題にも大きく影響しています。

特に最近、政府はジョブ型正社員の普及や中途採用の拡大に意欲を見せていますが、これは少子化対策にも効果が期待されています。

本稿では、ジョブ型正社員・中途採用と少子化問題の関連を解説していきます。

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ジョブ型正社員の普及

働き方改革を中心とした政府の取り組みは多岐にわたります。

出産・育児と仕事の両立支援を促すために、育児休業の取得を促進するといった分かりやすい取り組みだけではなく、政府は複数のベクトルで少子高齢化対策に挑んでいます。

これによって、企業を取り巻く環境には様々な変化が出てきているわ。

特に、今後は正社員のあり方も変化していく可能性が高いです。

従来の日本式の正社員のあり方と言えば、正社員として就職した以上、職務の内容や勤務地、就業時間などは会社の方針によって変化するものであり、これを受け入れるのが正社員というものでした。

このため、こなさなければならない職務がなし崩し的に広がったり、勤務地が度々変わったり、時間外労働が当たり前のように課せられたりすることにも、あまり疑問が持たれることはありませんでした。

ところが、少子高齢化が深刻になるにつれて、「このような正社員のあり方が出生率・出生数の低下、少子高齢化につながっているのではないか?」という考えが出てきました。

そこで、政府は正社員のあり方もより柔軟なものへと変えていくべく、ジョブ型正社員の普及を進める方針を立てています

 

ジョブ型正社員がなぜ少子高齢化対策に役立つかと言えば、ジョブ型正社員を「勤務地限定正社員」「職務限定正社員」「短時間正社員」などと呼ぶことからもわかる通り、働き方を限定している正社員だからです。

ジョブ型正社員は、

  • 職務が明確であり、限定されているため、自分の職務さえこなせばよい。職務がなし崩し的に広がり、ずるずると時間外労働をこなす必要もなく、残業や休日出勤をすることも少なく、育児に取り組みやすい
  • 勤務地が限定されているため、勤務地の変更によって住所を転々とする必要がない。勤務地の変更によって、保育サービスを新たに探したり、学区が変わったりすることもなく、育児に取り組みやすい
  • 勤務時間が限定されているため、基本的に時間外労働をする必要がなく、育児に取り組みやすい

といった特徴があるため、ジョブ型正社員の普及によって、育児に積極的な世帯が増えることが期待できます。

これが、ジョブ型正社員が少子高齢化対策につながると考えられている理由です。

政府は、すでにジョブ型正社員の普及に向けて方針を明らかにしています。

政府にとっては少子高齢化対策の意味もありますが、会社にとってもジョブ型正社員を取り入れることで、多様な働き方を認め、人材採用の幅が広がるなどもメリットが期待できます

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キャリアアップ助成金の正社員化コースを活用

ジョブ型正社員を雇用していくにあたって、活用したいのがキャリアアップ助成金の正社員化コースです。

正社員化コースは、有期契約から無期雇用あるいは正規雇用へ転換、無期雇用から正規雇用へ転換など、転換による処遇改善に取り組んだ会社に、助成金を支給するものです。

このコースでは、一般的な正社員への転換を対象としているほか、ジョブ型正社員への転換も対象としており、ジョブ型正社員に転換した場合には助成金の加算も受けられます。

ジョブ型正社員へ転換するためには、勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定する必要があります。

これらの制度を新設し、なおかつ有期契約労働者等をジョブ型正社員に転換または直接雇用した場合には、1事業所当たり9万5000円(生産性要件を満たしている場合には12万円)の加算を受けることができます。

この加算により、ジョブ型正社員への転換による助成金は、

基本的な支給額 生産性が6%向上している場合
有期契約からジョブ型正社員へ転換 1人当たり66.5万円 1人当たり84万円
無期雇用からジョブ型正社員へ転換 1人当たり38万円 1人当たり48万円

となります。

正社員を増やしたいと考えている会社では、ジョブ型正社員の導入に取り組み、人材確保と助成金の受給に取り組んでみると良いかもしれません。

※ジョブ型正社員について、詳しくはこちら

再チャレンジできる社会へ

このほか、政府は再チャレンジできる社会への変革にも取り組んでいます。

この変革について、現時点で政府はそれほど力強い動きを見せていないものの、再チャレンジできる社会に変えていくために、徐々に具体的な取り組みが始まっています。

日本は、再チャレンジが難しい社会です。

新卒のタイミングで就職するのは比較的容易ですが、このタイミングで就職できずに空白の期間を作ってしまったり、長く勤めた会社を辞めて再就職したりする場合に、就職が難しくなる傾向があります

また、事業に失敗した人が普通の会社員になろうとしても、失敗者・落伍者のような先入観を持たれ、就職が難しくなることも多いです。

終身雇用制度が機能していた一昔前であれば、このようなシステムにもある程度の価値があったかもしれないわ。

新卒で入社し、一つの会社に一生涯勤め上げるのが普通であり、それによってうまく回っている社会において、新卒で就職しなかった人や会社を辞めた人などは、会社・社会の型にはまらない扱いにくい人間として認識されます。

つまり、和を乱す可能性のある人材ですから、そのような人材の採用に消極的になるのは、ある意味合理的とも言えます。

しかし、今や終身雇用制度は破綻しており、誰もが倒産やリストラと無縁ではなく、中途採用の必要性は高まっています

 

そんな中、再チャレンジが認められにくい社会であれば、中途採用を迫られた人が経済的な困難に陥る可能性が高いです。

これが将来の不安を芽生えさせ、子供を作ることを先送りにする世帯や、「二人目を作るのはちょっと・・・」と考える世帯が増え、出生率・出生数の低下につながるのです。

もし、再チャレンジが容易な社会になれば、中途採用での仕事も見つけやすくなり、経済的に安定しやすくなります。若者たちが過剰に守りに入る必要もなくなり、出産・育児に積極的になれます。

このため、政府は中途採用の促進にも取り組んでいます。

そのための助成金として、「中途採用等支援助成金」が2019年に新設されていることから、今後もこの動きは徐々に強まってくる可能性があります。

中途採用の人材を採用することは、中小企業の人材確保にも重要となってくるため、助成金の活用も検討していきたいものです。

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中途採用等支援助成金を活用

中途採用の促進に取り組むとき、活用できる助成金の一つに中途採用等支援助成金があります。

これは、中途採用の促進と、それによる若者の経済基盤の安定、ひいては再チャレンジができる社会への変革を目的とする助成金です。

その名の通り中途採用等支援助成金では、

  • 中途採用を拡大し、中途採用率を上げた場合
  • 45歳以上の人材を初めて雇用した場合

に、以下の助成金を受給できます。

実施区分 助成額
中途採用率の拡大 1事業所当たり50万円(生産性要件を満たした場合には25万円の加算)
45歳以上の初採用 1事業所当たり60万円(雇用する人材が60歳以上であれば70万円。生産性要件を満たした場合には30万円の加算)

45歳以上の人材雇用については、初めて雇用するときの1回に限って利用できるものですが、ただそれだけで助成金を受給できます。

過去に45歳以上の人材を雇用したことがある会社では、その際に助成金を受給していなくとも支給対象外となるため、間違いなく受給すべき助成金です。

中途採用率の拡大についての規定は細かく定められているため、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

2019年新設の中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)とは?
CFイエロー 助成金制度は、その時々の政府の方針や社会情勢によって変化するものであり、廃止される制度、内容が変更される制度、新設される制度など様々です。 2019年に新設された助成金のひとつに、中途採用等支援助...
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まとめ

少子化問題の緊急性は年々高まっており、そのための取り組みも様々な形で進められています。

今までは、少子化問題からジョブ型正社員や中途採用を連想することはなかったかもしれませんが、政府の動向を見ていると、今後は少子化対策の一環として、ジョブ型正社員や中途採用の普及・促進にも目を向けていく必要がありそうです。

これは、企業が活用できる助成金の種類が増える、活用の幅が広がることでもあります。自社に適した活用を模索してみてはいかがでしょうか。

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