会社に将来性がない、雇用状態が不安定…若手の離職を防ぎながら助成金の活用を

人材不足に悩んでいる中小企業が増えている今、特に力を入れるべきは若手の人材の確保です。

労働人口が減少している中で、若手の人材確保が難しくなっていますが、若手の人材を定着させることができれば、慢性的な人材不足の解消につながります。

これは、若手は今後何十年も労働に従事していく存在であり、定着によって長期的な活躍が期待できるからです。

しかし、若手側から見れば、今後何十年も働ける会社であるかどうか、雇用状態が安定しているかどうかが重要であり、将来性のない会社は早期に見切りをつけ、離職してしまう人も多いです。

本稿では、このような離職への対処について、助成金の活用を踏まえて解説していきます。

会社に将来性がなければ離職につながる

人が労働に従事する理由は、生活していくためです。

特に、若手の人材は今後何十年間も働いていくのですから、会社の将来性は重要です。

もちろん、終身雇用制度は崩壊し、企業を取り巻く環境の変化も激しく、同じ会社で生涯働き続けることが難しくなっています。

若手の人材にも、この認識がないわけではありません。

しかし、会社に将来性を求めることが難しい時代だからこそ、できるだけ将来性のある会社に勤めて、安定した人生を送りたいと考えるのが人情です。

厚生労働省の調査によれば、入社3年以内に離職した若年者のうち、12.4%が会社の将来性を憂えて離職していることが分かっています。

この数値が、不安定な雇用状態に悩んで離職する人(8.7%)よりも大きいことに注目すべきでしょう。

会社の将来性に不安がなければ、雇用状態が不安定であるとは感じにくいものです。

正社員であれば、安定して働き続けることができると考えます。

CF イエロー
CF イエロー
しかし、将来性に不安があれば、雇用状態も不安定になりがちよ!

有期契約や派遣といった、期限付きの条件で入社した若手であれば、正規雇用への転換を望んでいるものです。

しかし、会社に将来性がなければ転換の望みも薄いと考えて、正規雇用してくれる、あるいは転換の望みがある他社への転職を考えます。

正社員も同じです。

有期契約の従業員に比べて、正社員は定着率が高い傾向があります。

しかし、正社員であっても、会社に将来性がなければ長く正社員を続けられる可能性は低く、雇用状態が安定していないと感じます。

実際に、厚生労働省の調査結果を見てみても、不安定な雇用状態を理由に離職した人のうち正社員が8.2%、正社員以外が9.1%となっており、雇用形態に関係なく離職につながっていることが分かります。

CF レッド
CF レッド
今の時代、若年者は将来に漠然とした不安を抱いているものだ!

入社した会社に将来性がないと思えば、雇用形態に限らず、できるだけ早いうちに見切りをつけて離職し、できるだけ有利な条件で転職活動を進めたいと考えます。

将来性がないと感じている会社で働き続け、案の定会社が倒産し、30代や40代になってから転職するのと、20代のうちに見切りをつけて離職し、転職するのとでは大きな違いがあります。

以上のような若年者の心理を考えると、会社に将来性がないことによって離職することが、良く理解できると思います。

CF ブルー
CF ブルー
将来性がなければ雇用状態も不安定に感じる。
正社員でさえそうなのだから、このような会社では転換が定着につながらないこともあるのだ。

CF ブルー
CF ブルー
返す必要のない、助成金で資金調達する方法もあります。

助成金についての関連記事はこちら

離職を防ぐための対処の方法

会社に将来性がないこと、それによって雇用状態が不安定であることを嫌って、入社3年以内に離職する若年者は20%に達します。

もちろん、これは複数回答が可能なアンケート調査の結果ですから、回答者が重複しているものも多いと思いますが、ともかく無視できない数値です。

この離職を防ぐためには、会社に将来性があり、雇用状態も安定しているという期待を抱かせるのが一番です。

しかし、安定経営を続けてきた老舗企業であるとか、新興技術を取り扱う企業や、新興の花形産業に属する企業でもなければ、将来性に期待を抱かせることは困難です。

そこで、少なくとも「会社に将来性がない」「雇用状態が不安定である」という認識を抱かせないことが重要です。

もっとも、会社に将来性がないという認識にも様々です。

見識のある従業員であれば、産業構造や経済の動向から会社の将来性を測るでしょう。

しかし、多くの従業員はそのようなマクロな視点ではなく、ミクロな視点で考えます。

つまり、局所的な経営状態を見て感じる、「どうも、我が社の経営は厳しいらしい」という、漠然とした認識です。

  • 売上や利益が落ちている
  • いつも人材不足である
  • 取引先との関係がうまくいっていないらしい
  • 銀行交渉がうまくいっていないらしい
  • 資金繰りが厳しいらしい

など、従業員が経営の厳しさを肌で感じ取ることで、将来性のなさと雇用状態の不安定さを漠然と感じるのです。

さらに、

  • 賞与が減った
  • 給与が上がらなくなった
  • 給与が遅配になった
  • 大幅な人員整理が行われた

など、従業員の生活に直接的な影響が表れてくると、将来性と雇用状態への不安は大きく高まり、離職者が増えることになります。

景気の動向や環境の変化などによって、売上や利益は増減するものですし、企業の長い歴史の中では取引先との関係が悪化したり、銀行交渉が難航したり、資金繰りが厳しくなったりすることもあるでしょう。

これらを理由として離職する動きは高まりますが、従業員に生活上の不安を抱かせないように、できる限りの対処を講じることは重要です。

例えば、厳しい状況でも定期的に賃金を増額する、賞与やその他の手当をしっかり支給するといったことを継続していれば、将来性への不安を減らすことができます。

もちろん、それが不可能な厳しい局面において、賃金が増えなかったり、減ったり、人員整理を迫られたりすることもあるかもしれません。

しかし、普段から従業員に不安を抱かせないように、できるだけ期待を抱かせるように配慮し、その時々の業績に応じてしっかりと従業員に還元するなど、従業員を大切にする姿勢があれば、厳しい時にも離職せず、踏ん張ってくれる従業員は増えていきます。

CF レッド
CF レッド
期待を抱かせることは難しいかもしれない。しかし、不安を抱かせないことは可能なのだ。

CF レッド
CF レッド
もし今、資金繰りにお困りなら、こちらの窓口に相談されてみてはいかがでしょうか。

ファクタリングジャパンについての関連記事はこちら

助成金の活用

経営が苦しい中で、支払うべきものをしっかり支払う姿勢を貫くことは、なかなかに厳しいことです。

そこで、助成金の活用が重要となってきます。

例えば、キャリアアップ助成金を活用すれば有期契約労働者の無期雇用や正規雇用への転換賃金の増額諸手当制度の改善などに取り組むことで、助成金を受給することができます。

キャリアアップ助成金には複数のコースがありますが、将来性と雇用状態への不安を除くためには、

  • 転換によって受給できる正社員化コース
  • 賃金増額によって受給できる賃金規定等改定コース
  • 職務に応じた賃金規定の共通化によって受給できる賃金規定等共通化コース

などが効果的です。

これらのコースで受給できる助成金は、以下の通りです。

【正社員化コース】

基本的な支給額 生産性が6%以上向上している場合
有期契約から正規雇用へ転換 1人当たり57万円 1人当たり72万円
有期契約から無期雇用へ転換 1人当たり28万5000円 1人当たり36万円
無期雇用から正規雇用へ転換 1人当たり28万5000円 1人当たり36万円

(※すべての転換を合わせて、1年度1事業所当たり支給申請上限人数は20人まで)

【賃金規定等改定コース】

全ての労働者に2%以上増額の場合

対象労働者数 有期契約労働者全員に2%以上増額の場合
基本的な支給額 生産性が6%以上向上している場合
1~3人 1事業所あたり9万5000円 1事業所当たり12万円
4~6人 1事業所あたり19万円 1事業所当たり24万円
7~10人 1事業所あたり28万5000円 1事業所当たり36万円
11~100人 1人当たり2万8500円 1人当たり3万6000円

全ての労働者に3%以上増額の場合

対象労働者数 有期契約労働者全員に3%以上増額の場合
基本的な支給額 生産性が6%以上向上している場合
1~3人 全ての労働者に2%以上増額の場合の
基本的な支給額に加えて、
1人当たり1万4250円の加算
全ての労働者に2%以上増額し、
生産性要件を満たした場合の
支給額に加えて、
1人当たり1万8000円の加算
4~6人
7~10人
11~100人

一部の労働者に2%以上増額の場合

対象労働者数 有期契約労働者の一部に2%以上増額の場合
基本的な支給額 生産性が6%以上向上している場合
1~3人 1事業所あたり4万7500円 1事業所当たり6万円
4~6人 1事業所あたり9万5000円 1事業所当たり12万円
7~10人 1事業所あたり14万2500円 1事業所当たり18万円
11~100人 1人当たり1万4250円 1人当たり1万8000円

一部の労働者に3%以上増額の場合

対象労働者数 有期契約労働者の一部に3%以上増額の場合
基本的な支給額 生産性が6%以上向上している場合
1~3人 一部の労働者に2%以上増額の場合の
基本的な支給額に加えて、
1人当たり1万4250円の加算
一部の労働者に2%以上増額し、
生産性要件を満たした場合の
支給額に加えて、
1人当たり1万8000円の加算
4~6人
7~10人
11~100人

(※1事業所当たり1回のみ)

・共通化した対象労働者が2人以上いる場合には、2人目以降の1人につき2万円(生産性が6%向上している場合には2.4万円)の加算(※上限20人まで)

CF イエロー
CF イエロー
売掛金、今すぐ現金化できます。フォーム送信で調達額がすぐに分かるサイトがこちら。

メンターキャピタルについての関連記事はこちら

以上のように、キャリアアップ助成金ではまとまった助成金を受給することができ、財務的な負担軽減に役立ちます。

キャリアアップ助成金は、正規雇用の従業員を対象としていません。

しかし、有期契約労働者の処遇改善に活用して助成金を受給すれば、トータルでの負担が軽減され、正規雇用労働者の処遇改善にも取り組みやすくなります。

もちろん、キャリアアップ助成金を活用し、若手の有期契約労働者の処遇を改善していけば、次代を担う若手の離職を防ぐことができます。

正規雇用転換を希望する若手の従業員がいれば、その希望に応えられる転換制度を整備し、適切に運用していくことで、転換による正規雇用労働者の確保も容易になります。

これらの取り組みによって、慢性的な人材不足から脱け出せば、人材確保にあくせくすることも減り、若手の従業員たちは「この会社は大丈夫だろうか」という不安を抱きにくくなります。

このほか、人材が充実すれば正規雇用労働者の負担が軽減され、労働時間が短くなったり、休暇を取りやすくなったりするため、これも将来性と雇用状態への安心感につながるでしょう。

キャリアアップ助成金を活用し、有期契約労働者の処遇を改善することによって、結果的に若手の人材が会社の将来を不安視することも減り、離職率を低下させることになるのです。

CF ブルー
CF ブルー
キャリアアップ助成金を活用し、将来性と雇用状態への不安を取り除いていこう!

CF 戦隊
CF 戦隊
業界最大手の資金調達プロなら、10社のうち9社で資金繰りが改善しています。

資金調達プロに関する関連記事はこちら

まとめ

若手の人材は、会社の将来性や雇用状態の安定性を非常に気にしています。

これらの点で不安を抱かせてしまうと、若手の確保に苦労します。

若手が将来性や雇用状態を最も不安視するのは、処遇が悪かったり、さらなる改善が進まなかったりする場合です。

そこで、キャリアアップ助成金などの助成金を活用し、負担を軽減しながら処遇を改善していくことによって、将来性と雇用状態を不安視することも減り、若手の離職率を下げる効果が期待できます。

キャリアアップ助成金を活用しながら、若手の離職率低下に取り組んでいきましょう。

この記事にコメントする

必須

1件のコメントがあります