経営者ならば、しっかり儲けを出していきたいと考えていることでしょう。
そのためには、計画性のある経営が必要だということも、わかっている人が多いと思います。
しかし、どのように計画を立てていけばいいのか分からず、行き当たりばったりの経営となり、儲けも安定しない会社は非常に多いものです。
そのような会社では、ある時点での目標を設定し、そこから逆算して計画を立てていくことをお勧めします。
本稿では、逆算経営の基礎知識をお伝えしていきます。
会社の目的は「儲けること」が前提
経営者の皆さんは、儲けることを考えて会社を経営していると思います。
そもそも会社とは、組織的に事業に取り組むことで利益を上げていくためにあるのですから、しっかりと儲けを出すことが前提となります。

事業を通して社会に貢献することも重要なことです。
自社の儲け以外は何も考えず、社会に不利益をもたらしてしまうような会社であれば、きっと長続きしないことでしょう。
とはいえ、会社が存続していくためには利益をあげなければなりません。
利益を得られなければ必要な支払いもできず、会社はいずれ倒産してしまい、社会への貢献もできません。
むしろ、支払うべきものが支払えずに債権者に迷惑をかけたり、従業員を路頭に迷わせてしまったり、社会に不利益をもたらしてしまう可能性もあります。
したがって、経営者は儲けることと社会貢献の両方を意識しつつ、儲けあっての社会貢献であることを考えておかなければなりません。

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儲けるための経営は「逆算」をして計画を立てる
では、儲けを出していくためには、どのように経営していけばいいのでしょうか。
この問題は非常に漠然としており、答えは色々考えられると思います。
しかし、儲けのために最低限必要となるものは、長期的な視野を持って儲けを出していくことです。
つまり、未来を見据えることなく、行き当たりばったりで利益を出していくのではありません。
将来的にバランスシートの資産状況はどうなっているべきであるかを考えて、その目標値から逆算して、収益計画を立てていくのです。
なぜ逆算で考えていくのかと言えば、それには以下のような理由があります。
逆算する理由1:計画的な経営ができる
まず、行き当たりばったりで利益を出していくならば、将来的な目標値に達することは難しいでしょう。
その期における利益に一喜一憂しているだけでは、いつまでたっても安定した儲けは得られません。
しかし、将来的な目標から逆算して、「毎年これくらいの利益を出す」と考えておくと、目的意識をもって活動していくことができます。
景気の波によって、目標利益に到達できないときもあると思いますが、無計画に経営しているよりも達成率は高くなるでしょう。
また、思いのほか稼げている時期には、できるだけ多くの利益を出すことによって、毎年平均して目標利益を達成することが期待できます。

無計画な経営では、節税にも無計画に取り組むようになりますから、効果が最大化するように節税を図ることはできません
逆算する理由2:人生の計画にも役立つ
また、逆算で考えていくことは、経営者の人生にも大きな影響を与えます。
バランスシートには、資産・負債・純資産の三種類の項目で構成されています。
左側に記載される資産には、会社が持っている資産が記載されます。
現預金や売掛債権、棚卸資産、不動産などの資産がありますが、これは会社が事業を行う中で投資してきた結果でもあります。
右側に記載されている負債は、会社が抱えている借金です。
銀行からの借入金、取引先に対する支払い債務、社債などの項目によって構成されています。
純資産には、会社が設立されてからこれまでに稼いだものが記載されています。
バランスシートの右側と左側の合計は常に一致しています。
もし資産の合計額が1億円の会社であれば、その1億円は自社で稼いだり、銀行から借り入れたりしているのですから、負債と純資産の合計も1億円になっているはずです。
これがバランスシートの簡単な考え方ですが、経営者自身の人生設計を立てるためにも、必ず押さえておくべき考え方です。
経営者の中には、自分の退職に合わせて会社をたたもうと考えている人も多いと思います。
会社をたたむ際には、会社の資産から負債を全て返済する必要があります。

会社をたたむ際には、経営者自身や従業員の退職金も用意すべきですから、負債の返済と退職金をあらかじめ見据えておく必要があります。
会社をたたむ時期に焦点を合わせて目標値を設定し、そこから逆算して儲けを出していくことは、経営者の人生設計においても重要なことなのです。
このような理由から、未来のバランスシートを決めておき、逆算していくことが効果的なのです。

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具体的な逆算の考え方
以上のように、将来的にはこうでありたいと考えるバランスシートを決め、そこから逆算して儲けを図っていく必要があります。
まず、将来の目標値を出すにあたって、その「将来」とはいつの時点であるかを考えます。
もし、経営者であるあなたが、退職と同時に会社をたたむ予定であったとします。
この場合、退職と同時に会社をたたむために、少なくとも負債を全て返済できるだけの資産状況でなければなりません。
また、退職金も考慮したうえで目標値を設定し、退職までに稼ぐべき利益を考えていきます。
二代目に引き継ぐ場合も同様で、引き継ぎまでの残りの時間から目標値を設定して逆算していきます。
この場合には、会社をたたむことは前提としていませんが、引き継ぎ時点での資産状況を目標値とします。

経営者であるあなたが現在50歳であり、70歳で退職して会社をたたむ予定であったとします。
この場合、20年後までに負債を全て返済し、自分と従業員に退職金を出せるだけの資産状況を目標値として設定します。
現時点において、資産が時価ベースで1億円、負債も1億円であったとすれば、債務超過状態ではないため、会社をたたむこと自体は可能です。
しかし、この状態では経営者や従業員の退職金が出ません。
経営者の退職金を5000万円、従業員(20人)の退職金を一人につき300万円支払うとすれば、20年後には1億1000万円の退職金を準備しておく必要があります。
資産と負債がとんとんの状態から、資産から負債を差し引いた後に残る自己資本が1億1000万円になる状態に持っていくということです。
そのためには、今後20年間にわたって、1年ごとに平均785万円の経常利益を確保していく必要があります。
税率は30%と仮定していますが、税金まで考慮したうえで確保する目標利益を見据えます。
過去10年間の平均利益を確認して、この水準を上回っているならば、退職までに目標値をクリアできる可能性があります。

もし、この水準を下回っているならば、上回るように努力しなければ退職金が減ることになります。
したがって、最低でもこの水準をクリアするように経営努力を払い、必要に応じて節税にも取り組んでいく必要があります。
このように、将来のある時点であるべき資産状況を見据え、毎年の目標を設定して経営していくのです。
無計画に利益を追い求めていくよりも、はるかに良い結果が得られるはずです。

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経営改善も逆算で
なお、ここまでは説明しやすくするために、退職と同時に会社をたたむ場合を例としてきました。
しかし、将来のある時点での資産状況を想定して、逆算して毎期の目標を決めていく考え方は、色々なシーンで活用することができます。
例えば、経営改善に取り組む場合にも活用できます。
経営状態が悪く、債務超過状態に陥っている会社があったとします。
債務超過状態は非常に危険な状態であり、銀行からの融資を受けられなくなったり、取引先が警戒したり、色々な悪影響を生みます。
このため、債務超過状態はできるだけ早く解消しなければなりません。
この場合にも、債務超過の解消を目指すにあたって、将来のある時点での解消を見据え、そのために必要な条件を逆算して目標を設置することで、計画性をもって問題に取り組むことができます。
債務超過の解消以外にも、黒字転換の計画を立てる場合や、リスケの計画を立てる場合などにも、逆算で考えることが役立ちます。
計画性をもって経営に臨み、しっかりと利益を出していくために役立つ考え方ですから、ぜひ参考にしてみてください。

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まとめ
行き当たりばったりの無計画な経営では、安定して儲けることは困難です。
将来のある時点での目標を設定し、そこから逆算して毎年の目標を設定しましょう。
目標に向かって経営努力を払うことによって、着実な儲けが得られやすくなりますし、理想の状態に近づいていくことができるのです。
計画性のある経営がしたいと考えているならば、逆算で考えていくことをお勧めします。
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