従業員の高齢化に悩む会社が、助成金を獲得しながら経営を改善する方法

現在、中小企業では、人材不足に悩んでいる会社が増えています。

特に製造業などでは、ベテランの職人の高齢化が進み、若手の人材が確保できず、いずれ経営が回らなくなってしまう会社も少なくありません。

実際に、技術力に定評があり、黒字経営を続けてきた製造業者が、人材不足によって会社を畳んでしまうケースもあります。

このような会社が人材不足を解消していくためには、複数の助成金を組み合わせて活用していくことが重要です。

本稿では、助成金を組み合わせて利用する方法・考え方を解説していきます。

中小企業の従業員の高齢化

日本の企業群のうち、ほぼ100%を占めている中小企業では、深刻な人材不足に悩まされています。

中でも、特に人材不足の影響を大きく受けているのは、中小の製造業者です。

日本のモノづくりを支えてきた、日本経済にとって非常に重要な存在ですが、従業員の熟練度が要求される作業も多いことから、人材不足の影響を受けやすいのです。

精度の高いモノをつくることは、日本人の得意分野といってもよく、これは刀鍛冶や宮大工などに象徴されるでしょう。

広く一般に知られていない中小業者の中にも、そのような精度の高いモノづくりを売りにしており、職人たちが誇りをもって働いている会社がたくさんあります。

そのような会社では、雇用がうまくいかずに人材不足に悩まされると同時に、従業員の高齢化という問題を抱えていることも少なくありません。

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現在の日本では人口の減少、生産年齢人口の減少が続いており、なおかつ働き手の価値観も大きく変化しているよ!

一昔前、中小の製造業者に就職して職人を目指すならば、ベテランの厳しい指導に耐えつつ、粘強く努力し、何年、何十年と技術を磨くことによって一人前になるのが普通でした。

そのような世代の労働者が、自分の指先の感覚で1000分の1ミリを調整するような高い技術をもって製造にあたり、日本の製造業は成り立ってきたのです。

しかし、その世代の労働者はすでに高齢であり、定年退職を控えた人もたくさんいます。

一方、若い人材は中小企業になかなか集まらず、集まったとしてもかつての職人修行を嫌う人が多く、人材が定着しにくいという問題を抱えています。

このため、若い人材は集まらず、定年を控えたベテランの比率が高くなり、従業員の高齢化が進んでいるのです。

経営を改善するための方針を考える

このような問題を抱える中小の製造業者は多く、この問題を解消しなければ、いずれ経営が立ち行かなくなる可能性が高いです。

ベテランの職人がいなくなれば、会社の誇る精密加工もできなくなり、取引先は離れ、経営が破綻してしまうでしょう。

状況を打破するためには、若手の人材を集め、ベテランが退職した後も経営が成り立つ体制を作っていく必要があります。

そこで、次のようなアプローチで進めていくことになります。

  1. ベテラン従業員の継続雇用を図り、ベテランが活躍してくれる期間を伸ばすことで、時間を稼ぐ
  2. ベテランが時間を稼いでくれている間に、若手の人材を集めていく

なお、上記の取り組みにあたって、労働環境を整備したり、採用条件・雇用条件を引き上げたりするためには、それなりにコストがかかります

そこで、利用できる助成金制度をフル活用していくことがポイントとなります。

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返す必要のない、助成金で資金調達する方法もあります。

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高齢者の継続雇用で時間を稼ぐ

まず、このような会社ではベテランの従業員の戦力が極めて重要です。

したがって、定年を引き上げるなどして継続雇用し、経営を支えてもらい、経営改善に取り組むための時間を稼ぐことを考えます。

政府でも、生産年齢人口の減少による経済成長の鈍化に対応すべく、高齢者を重要な労働力として位置づけています。

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このため、高齢者の雇用に取り組む会社では、様々な助成金を受給することができるよ!

例えば、65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)を利用することにより、以下のように助成金を受給することができます。

65歳以上へ定年を引き上げる、あるいは定年の定めを廃止する場合

60歳以上の被保険者数 65歳まで引き上げ 66歳以上に引き上げ 定年を廃止
5歳未満 5歳 5歳未満 5歳以上
1~2人 10万円 15万円 15万円 20万円 20万円
3~9人 25万円 100万円 30万円 120万円 120万円
10人以上 30万円 150万円 35万円 160万円 160万円

希望者全員を対象として66歳以上の継続雇用制度を導入した場合

60歳以上の被保険者数 66~69歳まで 70歳以上
4歳未満 4歳 5歳未満 5歳以上
1~2人 5 10 10 15
3~9人 15 60 20 80
10人以上 20 80 25 100

このように、高齢者の従業員の定年を引き上げることによって、被保険者数に応じて助成金を受給することができます。

例えば、現在定年を65歳と定めている会社が、70歳まで継続雇用できる体制を作れば、少なくともベテランの高齢労働者が働ける期間を5年間伸ばすことができます。

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若手の人材を集めるための時間稼ぎも可能となるよ!

もし、自社で働く60歳以上の従業員が10人いたならば、65歳としていた定年を70歳へと5年間に引き上げることにより、160万円の助成金を受給できる可能性があります。

もちろん、受け取った助成金の使い道は自由です。

ベテランの退職後に活躍する、若手の人材を確保したい場合には、助成金を若手の人材確保へと再投資するのがベストでしょう。

このような助成金制度を利用することによって、会社の延命を図りながら人材問題への投資資金を獲得することができるのです。

自社に合う方策を考えよう

高齢者の継続雇用に取り組むにあたり、定年を引き上げるほか、定年の廃止も可能です。

昔気質のベテラン職人が多い会社では、定年を引き上げることや廃止することに好意的な従業員も少なくないため、これを検討してみるのが良いでしょう。

できるだけ長く働いて、会社に貢献したい気持ちがあるならば、後輩の育成にも意欲的に取り組んでくれるはずです。

ただし、定年を廃止するということは、「いつまでも働いてもらえる」と同時に、「いつまでも辞めてもらえない」ということでもあります。

ベテランの職人が長く働いてくれることは会社にプラスになる部分もありますが、新陳代謝がなかなか進まなくなる可能性もあります。

このことについては、経営者と従業員の関係性によるところが大きく、明確にどうすべきという判断基準はありません。

継続雇用に踏み切り、会社の延命や後進の育成に貢献したベテラン従業員ですから、その後の処遇に困ってしまうこともあります。

「老兵は去るのみ」と自主退職してくれる従業員ばかりではないでしょう。

そこで、安易に定年を廃止するのではなく、定年を廃止せずに延長したほうが、トラブルは起きにくいとも言えます。

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若手の人材確保

次に、若手の人材を確保していく取り組みを実施します。

この時、人材募集に伴う助成金を利用するとともに、人材の定着や若手の育成の面でも助成金の受給を目指し、負担を軽減していくことがポイントとなります。

トライアル雇用助成金もいいけれど・・・

人材を確保する際、色々な助成金を活用することができます。

よく知られている助成金は「トライアル雇用助成金」です。

この助成金では未経験者を試験的に雇い入れ、3ヶ月のトライアル雇用の後に常用雇用に切り替えた場合、最大12万円の助成金を受給できます。

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しかし、ここですぐにトライアル雇用助成金の利用を考えるのは早計よ!
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会社の状況に応じて使うべき助成金は異なるのだ!

トライアル雇用助成金は、多くの会社が利用できるものの、助成金額はそれほど大きくありません。

なぜならば、トライアル雇用助成金のメリットは、助成金によるコスト負担軽減ではなく、「3ヶ月のトライアル雇用の後、契約を打ち切ることもできる」ことなのです。

あくまでもトライアル雇用期間中に従業員の適性を見極めることを目的としているからです。

本稿のように、ベテラン従業員が教育することで若返りを目指している会社では、入社当初は適不適ということはなく、しっかり教育を受けて技術を身につけることによって、使える従業員となります。

「適していれば雇う、そうでなければ雇わない」と考えてトライアル雇用をするよりも、「ともかく雇う」と考える会社では、助成金額の大きい制度を使ったほうが賢明です。

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特定求職者雇用開発助成金を使う

例えば、特定求職者雇用開発助成金という制度では、トライアル雇用助成金よりも積極的に雇い入れる場合に使いやすい助成金です。

特定求職者雇用開発助成金にはいくつかのコースがありますが、「三年以内既卒者等採用定着コース」などが特に使いやすいでしょう。

これは、次のような人材を雇った場合に受給できる助成金です。

  • 大学や高校を卒業あるいは中退している人
  • これまで12ヶ月以上にわたって同じ会社で働いた経験がない人

三年以内既卒者等採用定着コースでは、既卒者や高校中退者を雇い入れ、受給要件を満たした場合は次のように受給できます。

■既卒者の場合

  • 1年定着後に50万円
  • 2年定着後に10万円
  • 3年定着後に10万円

■高校中退者の場合

  • 1年定着後に60万円
  • 2年定着後に10万円
  • 3年定着後に10万円

人材開発支援助成金を使う

次に、雇用した若手が職場に定着することが重要です。

定着のためには、若手に仕事の魅力を伝えること、やりがいを持ってもらうこと、「この仕事なら安定して働いていける」と思わせることなどが重要です。

そのために最も効果的なのは、ベテランが若手をしっかり教育できる仕組みを作り、なおかつ助成金を受給することです。

今でも製造業者には、昔ながらの「仕事は丁寧に教えない、見て盗め、経験しながら覚えろ」という風土の会社が多いです。

しかし、最近ではそのような教育は古いと考える若手が多く、「ろくに教えてくれない」と思われ、定着しない可能性が高いです。

かといって、仕事中にしっかり教えると生産性が低下することとなり、どうしても勤務時間外に教育を施す必要があります。

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しかし、そのためには手当が必要となり、人件費負担が重くなってしまうよ!
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そこで、助成金を受給しながら教育できる環境づくりが重要なのだ!

利用できる助成金は、「人材開発支援助成金」です。

この制度もいくつかのコースに分けられていますが、社内でOJT(教育)活動をするならば、特定訓練コースの利用がおすすめです。

この助成金では、社内でOJTを実施したとき、訓練を受講した従業員1人1時間あたり760円の助成金を受給することができます。

これを、就労時間外や休日に教育を実施した場合の手当に充てることによって、負担を軽減することができます。

また、この助成金を賃金アップに再投資するのも効果的です。

若手が意欲的に教育を受けられるように、受講した回数に応じて人事評価に考慮し、賃金をアップするなどの仕組みを作れば、さらなるモチベーションのアップにつながるでしょう。

なお、この助成金では、生産性要件を満たした場合の支給額が960円に増額されます。

生産性要件とは、訓練開始日が属する会計年度の前年度の生産性と比較して、3年度後の会計年度の生産性が6%以上アップしていることです。

若手に教育を施せば、生産性に明らかな貢献が期待できるため、生産性要件を満たせる可能性も高いです。

したがって、若手の教育に当たっては、生産性要件を満たすことも視野に入れた教育が重要となります。

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まとめ

本稿で紹介したように、様々な助成金を組み合わせて利用していくことで、経営改善がかなりやりやすくなります。

助成金を受給することで、人材問題に取り組むコスト負担を軽減することができ、従業員の新陳代謝を促すことができます。

人材不足や人材の高齢化に悩んでいる会社でも、社内教育制度が充実させることによって、未経験でもベテランからしっかり教えてもらえること、

手に職をつけて長く安定して働けることなどをアピールすれば、魅力を感じる若者が興味を抱き、人材を確保しやすくなるはずです。

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