個人事業主が融資を受けたいとき、財務はどう調査されるの?

個人事業主は、事業の規模も小さく、必要となる運転資金も少なく、資金需要もそれほど高くないことから、法人と比較して銀行から融資を受ける機会も少ないものです。

しかし、個人事業主でも融資を必要とすることがあるでしょう。

その時、法人と個人事業主では財務の見方が異なるため、法人の融資交渉を模倣してもうまくいかないことがあります。

個人事業主が融資交渉をするには、銀行がどのように調査するかを知っておく必要があります。

確定申告書は決算書?

法人は、自社の業績と財務をまとめた決算書を毎年作成し、その結果に基づいて法人税を支払っています。

これに対し、個人事業主が支払っているのは所得税です。

会社に勤めて給料を得ている人は、給料から所得税を天引きしてもらうのですが、個人事業主は確定申告によって所得を申告し、その結果に基づいて所得税を支払います。

このため、個人事業主における確定申告書は、法人における決算書に相当する存在と言えます。

しかし、確定申告は1年間の所得と納税額を計算するものであり、いわば損益計算書に相当するものです。

決算書では、損益計算書以外にも、貸借対照表やキャッシュフロー計算書が含まれますが、確定申告書では損益を表す資料しかありません。

確定申告書は、個人事業主にとって決算書のような存在ではあるものの、同じものではないと考えてください。

確定申告書は損益計算書ではない

また、確定申告書と損益計算書はイコールではありません。

法人の決算書と類似性を見出すならば、確定申告書と損益計算書が似ているということであって、同一のものではありません。

確定申告書には所得が記載されていますが、この所得は多くの場合、事業所得が大部分を占めます。

このほか、

  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 一時所得
  • 雑所得
  • 譲渡所得

などがあるならば、それらも所得に含まれます。

これらの所得は、売上とは異なります。

所得は、売上から必要経費を差し引いた後に残る利益のことだ。

このため、確定申告書の内容から所得は分かるものの、売上を把握することはできません。

このような点において、確定申告書と損益計算書は似て非なるものと言えるでしょう。

とはいえ、確定申告書と損益計算書は似ているものです。

損益計算書の知識を持っている人は、損益計算書を通して確定申告書を理解するのが役立つでしょう。

確定申告書の所得を損益計算書の項目に当てはめるならば、以下のような当てはめ方ができます。

損益計算書 確定申告書
営業利益 事業所得
営業外収入 利子所得配当所得不動産所得
特別損益 譲渡所得一時所得雑所得
税引前当期利益 課税所得
税引後当期利益 事業主に帰属する所得

必ずしもこの対比が正しいとは言えませんが、大雑把な認識としてはこれで良いでしょう。

なお、この表では営業利益と事業所得を対等のものとしてみており、利子所得や不動産所得が営業外収入となっています。

もちろん、個人で貸金業や不動産賃貸業をしている個人事業主であれば、利子所得や不動産所得が事業所得となります。

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白色申告と青色申告

個人事業主の確定申告では、白色申告と青色申告の二種類があります。

両者の違いは、

白色申告・・・帳簿を作らずに申告するもの
青色申告・・・帳簿を作って申告するもの

という違いがあります。

当然、青色申告のほうが手間がかかるわけですが、多くの個人事業主は青色申告をします。

なぜならば、青色申告をすると控除を受けられるため、節税効果が高いからです。

銀行は白色申告をこう見る

白色申告では、確定申告の際に収支内訳書を提出します。

収支内訳書には、申告された所得金額がどのように計算されたかを表すものであり、損益計算書に相当するものと言えます。

ただし、白色申告には貸借対照表に相当するものがないんだ。

これは、あくまでも白色申告は納税のため行うものであり、税務署は当期の課税対象額さえわかればよく、資産状況には関心がないのです。

このため、銀行が白色申告の個人事業主に融資を判断する際には、銀行員が社長に聞き取りその他を実施することで、資産状況や収支状況について調査する必要があります。

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銀行は青色をこう見る

青色申告では、所得の状況を表す確定申告書を提出するほかに、青色申告決算書を提出します。

青色申告決算書とは、貸借対照表と損益計算書が一体になった資料です。

銀行が融資を判断するためには、確定申告書と青色申告決算書の両方を求めます。

確定申告書とは違い、青色申告決算書には損益計算書も含まれるため、確定申告書ではわからなかった売上や売上原価、売上総利益、販管費などもわかるようになっています。

ただし、青色申告決算書では、事業所得と不動産所得に関する情報のみが記載されており、個人事業主の経済状況を正確に把握できるとは限りません。

例えば、社長の自宅や個人的な預金などは、青色申告決算書に記載されません。

これらは、事業には関係のない資産だからよ。

ほかにも、住宅ローンの支払利息や生活費など、事業に無関係な収支も記載されていません。

このため、白色申告と比べて実態を把握しやすいものの、それだけで判断することはできません。

したがって、白色申告の場合と同様に、聞き取りをしたり、資料の提出を求めたりすることによって、実態の把握に努めていきます。

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調査の方法

白色申告でも、青色申告でも、聞き取りによる調査が必要となります。

資産や収支の状況を聞き取ることで、実態を把握していきます。

また同時に、収支状況についても調査していきます。

白色申告と青色申告の際に作成する資料は、あくまでも事業における収支の内訳を記載したものであり、事業と関係のないものは記載されていません。

個人事業主は、納税後の所得が社長の給料となり、生活費その他に充てられているんだ。

つまり、最終的に残った利益が家計と一体になっており、事業と関係のない収支についても把握しなければ、その個人事業主の実態を把握することはできないのです。

このため、銀行が調査する際には、聞き取りと同時に預金の異動明細を求めます。

これによって、

  • 持ち家に住んでいるならば住宅ローンの返済状況はどうなっているか
  • 賃貸物件に住んでいるならば、賃料の支払い状況はどうなっているか
  • 子供がいるならば、学資の支払いや仕送りの状況はどうなっているか
  • その他の副収入や支払いの状況はどうなっているか

など、事業とは直接関係のない収支状況を把握することができます。

このほか、一家の家計はひとつになっているのが普通ですから、家族の収支状況も調べることがあります。

以上の調査の結果、家計も含めた貸借対照表と損益計算書を、銀行ごとに制定している様式にまとめます。

こうして個人事業主の実態を把握してみると、

  • 資産の洗い替え(実際の価値に基づいて評価しなおすこと)をした結果、実質的には債務超過状態であった
  • 家計も含めて損益状況を見ると利益が少なく、事業を安定して継続できそうになかった

などが分かることがあります。

個人事業主は、資金繰りをそれほど意識していない人が多いと思います。

法人ほどに資金繰りを意識して、お金の流れを計画的にコントロールしている人は少ない。

しかし、個人事業主では、家計も含めてお金の流れを把握し、コントロールしていく必要があるのです。

ある意味、銀行は個人事業主に対して、法人以上に資金繰りを重視すると言えるでしょう。

個人事業主の皆さんも、当サイトで資金繰りの知識を身に着けていくと、経営全般に役立つと思います。

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まとめ

個人事業主が銀行交渉をスムーズに進めるためには、銀行の聞き取りや資料の求めに誠実に応じることが大切です。

銀行は、確定申告のための資料をそれほど頼りにしていません。

むしろ、家計メインで実態把握に努めるのですから、普段から家計を含めた収支状況や資産状況を整理しておくと、融資交渉がスムーズに進められると思います。

また、決済口座を特定の銀行に集中させることによって、資金繰りが見えやすいようにしておくことも、スムーズな交渉に役立つと思います。

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