障害者雇用で最大356万円!3つの助成金の併給で最大化する方法

障害者雇用に取り組むにあたって、受給できる助成金は複数あります。

そして、これらは併給が認められているため、要件を満たすものを漏れなく利用していくことで、受給額を大きく伸ばすことができます。

障害者雇用は、多くの会社にとって難しい取り組みです。

しかし、今後は障害者雇用が会社に与える影響が大きくなっていくことが予想されるため、併給できるものはしっかりと併給していくことが重要となります。

本稿では、障害者雇用の際に併給できる特定求職者雇用開発助成金の障害者初回雇用コース・特定就職困難者コース、ならびに障害者トライアル雇用助成金について解説していきます。

障害者雇用で受給できる助成金は色々

障害者雇用促進法の改正により、2018年には民間企業における法定雇用率が2.0%から2.2%へと引き上げられ、また2021年には2.3%に引き上げられる予定です。

これによって、雇用義務が生じる会社の規模は、常用労働者50人以上(法定雇用率2.0%)から46人(同2.2%)へ、さらに44人(同2.3%)へと推移し、雇用義務が適用される範囲は着実に広がっていることが分かります。

近年の障害者数の増加から考えて、今後もこの流れは続くものと思います。

中小企業の財務基盤は一般的に弱く、負担に敏感なものですから、うまく対処していく方法をよく知っておく必要があります。

障害者雇用の負担を軽減する最良の方法は、助成金を活用することです。

現在、助成金制度では障害者雇用にあたり、

  • 特定求職者雇用開発助成金の障害者初回雇用コース(以下、障害者初回雇用コース)
  • 障害者トライアル雇用助成金の障害者トライアルコースと障害者短時間トライアルコース(以下、障害者トライアルコース)
  • 特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コース(以下、特定就職困難者コース)

などを受給することができます。

さらに、これらは条件次第で併給することができ、積極的な活用によって、負担を大幅に軽減することも可能です。

これらの助成金は、どれも「障害者を雇用する」ことによって助成の対象となっており、同じ取り組みなのだから併給もできないように見えます。

しかし、取り組みは同じであっても、助成の名目・目的が異なります。

すなわち、

  • 障害者初回雇用コース→障害者を初めて雇用し、法定雇用率を満たしたことについて助成金を支給するもの
  • 障害者トライアルコース→障害者を試験的に雇用することを通じて、障害者雇用を促進したことについて助成金を支給するもの
  • 特定就職困難者コース→就職が困難な労働者を雇用したことについて助成金を支給するもの

というように、それぞれ異なる名目・目的を持つ助成金であり、併給が認められているのです。

会社にとっては、障害者を雇用するというひとつの取り組みによって、複数の助成金を併給できるのですから、併給しなければもったいないと言えます。

ただし、障害者トライアル雇用助成金の障害者短時間トライアルコースについては、障害者を週所定労働時間10時間以上20時間未満として雇うものであり、これは特定求職者雇用開発助成金の要件を満たさないため、併給はできません。

併給することで手間はかかるが、受給金額も伸びる。手間をかけるだけの価値は十分にあるわ!

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各助成金の基本情報

これらの助成金についての詳細な解説は、他の記事を読んでいただくとして、ここでは併給を考える上で必要となる基本的な情報だけをまとめておきます。

※それぞれの助成金について、詳しくはこちら

障害者初回雇用コース

障害者初回雇用コースは、障害者を初めて雇用し、法定雇用率を達成した会社に対し、120万円の助成金を支給するものです。

「初めて雇用する」ということがポイントです。

これは、過去にアルバイトや研修などであっても、自社で就労させたことがない会社を指しています。

もっとも、「過去3年間において」という条件付きですから、それ以上前にさかのぼって雇用経験がある会社では、受給できる可能性があります。

事業拡大のために従業員を増やしたことで雇用義務が発生した会社や、法定雇用率の引き上げによって新たに雇用義務が発生した会社では、初めて障害者を雇用することになります。

このとき、雇用するだけで120万円も受給できるのですから、初めて雇用する会社では絶対に利用すべき助成金です。

障害者トライアルコース

障害者トライアルコースは、トライアル期間を設けて障害者を雇用し、トライアル期間後に1年以上の継続雇用契約に切り替えた場合に助成金を支給する制度です。

トライアル期間は、原則的に3ヶ月間となっており、助成金の支給額は月額4万円・最大12万円となっています。

拡充措置に注目

以上のように、障害者トライアルコースも、基本的には通常のトライアル雇用助成金と変わりません。

ただし、2018年からの拡充措置によって、精神障害者・発達障害者を初めて雇用する会社への助成内容が充実しています。

この場合、最長12ヶ月間のトライアル期間を設定することができ、支給額は最初の3ヶ月間で月額8万円・最大24万円の支給、さらにその後のトライアル期間で月額4万円・最長3ヶ月12万円が支給されます。

つまり、拡充措置を利用した場合、障害者トライアルコースの支給額は最大で36万円にアップすることが分かります。

特定就職困難者コース

特定就職困難者コースは、障害者だけではなく高年齢者や母子家庭の母など、複数の就職困難者を対象としています。

雇い入れる就職困難者の区分により、助成金の支給額は異なりますが、障害者だけに限定すると、支給額は以下のように設定されています。

対象労働者 支給額 助成対象期間 支給対象期ごとの支給額
短時間労働者以外の者 重度障害者等を除く身体・知的障害者 120万円 2年 30万円 × 4期
重度障害者等 240万円 3年 40万円 × 6期
短時間労働者 重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者 80万円 2年 20万円 × 4期

なお、特定就職困難者コースにおける重度障害者とは、重度身体障害者、重度知的障害者、45歳以上の障害者、精神障害者を指しています。

短時間労働者とは、週所定労働時間が20時間以上30時間未満として雇い入れた障害者のことです。

障害者の区分や労働時間によって、助成金の支給額が異なるため、併給の際には様々なパターンを考えて、無理なく受給額を増やせる組み合わせを考えていきましょう。

どのコースも、助成内容が手厚いね。併給しない手はないね!

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受給額は組み合わせで変わる

障害者初回雇用コース、障害者トライアルコース、特定就職困難者コースの併給には、様々な組み合わせが考えられます。

ここで、受給額が最大になる組み合わせや、その他の組み合わせを考えてみましょう。

受給額が最高となるケース

まず、初めて障害者雇用に取り組む会社は障害者初回雇用コースの対象になるため、

  • 障害者初回雇用コース
  • 障害者トライアルコース
  • 特定就職困難者コース

の全てを併給できます。

ポイントとなる「初回雇用」

受給額を伸ばす際にポイントとなるのが、障害者初回雇用コースと障害者トライアルコースの使い方です。

障害者初回雇用コースは、精神障害者だけではなく、様々な障害者を初めて雇用する時に利用できます。

一方、障害者トライアル雇用助成金で拡充措置を利用できるのは、精神障害者の初回雇用に限られます。

初めて雇用する精神障害者に対し、障害者初回雇用コースと障害者トライアルコースを同時に利用するならば、

  • 障害者初回雇用コースで120万円
  • 障害者トライアルコースで36万円

=合計156万円

の助成金を受給できます。

しかし、障害者初回雇用コースと障害者トライアルコースを同時に利用しないならば、障害者初回雇用コースでは精神障害者以外の障害者を雇用すべきです。

なぜならば、障害者初回雇用コースで精神障害者を雇用してしまうと、その後障害者トライアルコースで精神障害者を雇用するとき、「初めての雇用である」とみなされなくなってしまい、受給額が減ってしまうためです。

これを知っておけば、

  • 障害者初回雇用コースと障害者トライアルコースの両方で、精神障害者の初回雇用に取り組む
  • 障害者初回雇用コースでは精神障害者以外の初回雇用に取り組み、障害者トライアル雇用助成金では精神障害者の初回雇用に取り組む

などの方法により、受給額を最大化することができます。

最大356万円の受給

精神障害者を初めて雇用して受給額を最大化した場合、これら3つの併給によって最大356万円を受給できる可能性があります。

受給額の内訳は、

  • 障害者初回雇用コース:障害者の初回雇用と法定雇用率の達成で120万円
  • 障害者トライアルコース:精神障害者のトライアル雇用で最大36万円
  • 特定就職困難者コース:重度障害者に区分される精神障害者の雇用で200万円

となります。

ややこしいのが、特定就職困難者コースの考え方です。

上掲の表で見た通り、重度障害者を雇用した場合には40万円を6期にわたって、最大240万円の受給が可能です。

しかし、障害者トライアルコースと併給する場合には、第1期を受給できず5期200万円の受給が最大となります。

これは、特定就職困難者コースの受給要件が、「障害者を継続雇用すること」となっているためです。

特定就職困難者コースの第1期にあたる期間はトライアル雇用期間中であり、継続雇用の判断が確定していないため、支給対象期間とはみなされないのです。

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トータルメリットで判断する

精神障害者を雇用した場合、特定就職困難者コースでは1期ごとに40万円を支給しています。

これは、障害者トライアルコースで精神障害者を雇用した場合の36万円よりも4万円多いことが分かります。

したがって、受給額の最大化だけを考えれば、障害者初回雇用コースと特定就職困難者コースのみを利用し、合計受給額を360万円とした方が良いでしょう。

しかし、助成金の活用は長期的な視点で、トータルメリットで判断すべきです。

特定就職困難者コースで十分な助成金を受給するには、6期3年間にわたって働いてもらう必要があります。

長期間にわたる取り組みとなり、自社で適切な配慮ができなければ、継続雇用は難しいでしょう。

もちろん、特定就職困難者コースで受給できる金額も少なくなります。

そこで、障害者トライアルコースを利用して適性を見極め、長期にわたって取り組めるかどうかを判断したうえで継続雇用に切り替えることで、長期間の雇用もしやすくなり、特定就職困難者コースの受給額は増え、結果的に多くの助成金を受給可能性が高まります。

たった4万円の差ですから、障害者トライアルコースも併給しつつ、356万円の受給を目指しましょう。

トータルメリットで考えることは、どの助成金でも大切なことだね。

その他の併給パターン

以前、障害者を雇用したことがある会社では、障害者初回雇用コースを利用できません。

しかし、

  • 障害者トライアルコース
  • 特定就職困難者コース

二つを併給することは可能です。

この場合、精神障害者を初めて雇用するならば、障害者トライアルコースで36万円、特定就職困難者コースで200万円、合計236万円を受給できます。

ここまで、精神障害者の雇用を前提に解説していますが、実際に雇用するのは精神障害者だけではないでしょう。

その場合、障害者トライアルコースの拡充措置は受けられず、12万円のみの受給となります。

特定就職困難者コースでも、重度障害者以外の雇用では30万円を4期にわたって支給しているため、この場合の受給額の合計は、

  • 障害者トライアルコース→12万円
  • 特定就職困難者コース→第2期以降の3期分90万円

で、合計102万円となります。

障害者初回雇用コースを利用できるのは初回に限られているため、それ以降は特定就職困難者コースと障害者トライアルコースのみの併給となり、受給額も大きく下がります。

それでも、他の助成金に比べると、1人の有期契約で100万円程度の助成金を受給できるのですから、非常に優遇されていると言えます。

併給には様々なパターンがあり、トライアル期間・支給対象期間・支給申請期間など、スケジュール管理も煩雑になります。社労士とも連携をとりつつ、しっかり受給していきましょう。

併給のパターンは色々だよ。自社の状況に合わせて、最適な併給パターンを見つけていこう。

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まとめ

障害者雇用によって受給できる助成金は複数あります。

そして、それぞれの目的が異なるため、併給が認められています。

「取り組みは同じでも目的が異なれば併給できる」とは言っても、取り組みが同じであれば目的が異なっても併給できない助成金もあり、併給について明確な判断基準はありません。

全て、厚生労働省の併給調整によって決められています。

そのため、併給の可能性を十分に考えず、併給できるものを取りこぼしてしまう会社も少なくありません。

そのようなことがないように、

  • 障害者初回雇用コース
  • 特定就職困難者コース
  • 障害者トライアルコース

が併給可能であることを知り、より多くの受給を目指していきましょう。

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