人材不足に悩んでいる会社の中には、定着率や生産性の低さが原因になっていることが多いです。
さらに問題を深掘りすれば、不適切な人事評価によって、定着率や生産性が低くなっているケースがしばしば見られます。
このような会社では、人事評価制度の整備に取り組むことで、根本的な改善にとりくむべきです。
人事評価とは?
人材不足解消に役立つ方法には、色々な方法があります。しかし、コスト負担が大きい取り組みもあれば、コスト負担が軽い取り組みもあります。
人材不足に悩んでいる会社の中には、人材不足を解消するためのコスト負担に悩んでしまうことも多いものです。

例えば、雇用した従業員の離職を防ぐことは、人材不足解消のための重要な取り組みよ。
そのためには、賃金をアップするという方法が考えられますが、賃金をアップしたことによる人件費負担の増加に悩んでしまうことがあります。
このように、解決策によって新たな問題を生み出さないためには、その解決策を実施することで懸念される問題、例えば資金繰りへの影響や新たな離職の動機などをある程度想定して、解決策の実施と同時に新たな問題の予防に取り組むことが欠かせません。
具体的には、助成金を受給したり、賃金アップと同時に生産性の向上に努めたりすることで、問題の連鎖を封じていく必要があります。

問題を解決すると、そこからまた問題が発生する。いたちごっこが会社の体力を奪っていくのだ。
総合判断での評価を
そこで効果的な取り組みとなるのが、人事評価です。
人事評価というと、評価を根拠として適正な賃金を支払うためのもの、と考えられていることも多いです。
確かに、きちんとした人事評価を根拠としているならば、自分に支払われている賃金に納得がいくため、従業員の不満を解消するのに役立ちます。
簡単に言えば、会社にとって好ましい人材ほどよい評価を受けることとなるため、人事評価には会社の理念や目標、会社が求める社員像などが反映されることとなります。
従業員としても、人事評価がきちんと整備されていれば、良い評価を受けるためにはどうあるべきかを知ることができ、会社と従業員の間でベクトルを合致させることができます。
従業員自身の努力が業績アップにつながり、会社が従業員に施す教育の効果も高まります。

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人事の適正化に効果大
このように、人事評価は単に賃金を決めるための評価ではなく、より総合的な部分での評価であることが分かります。
つまり、人事評価の結果として賃金も適正化されていくのであって、賃金に関する評価も人事評価に含まれていると考えることができます。
このため、人事評価は賃金の適正化にも大きな効果を発揮します。
体質の古い会社では、能力や業績や情意といった総合的な評価ではなく、単に年齢給と職能給だけで賃金が決められていることもあります。
これでは、会社への貢献度が高い人材が、低すぎる賃金で働くことも起こり得ます。
同様に、古い評価基準を改めなければ、賃金だけではなくポジションも不適切なものになりがちです。
貢献度の低い人材が高い地位についており、貢献度の高い人材を指導・監督する逆転現象に陥ることもあります。
このような合理的でない人事は、会社が人材不足に悩む大きな原因となります。
正しい評価を受けられなければ、優秀な人材にとって魅力的な会社ではなく、いくら賃金アップに努めても定着率はなかなか上がらず、負担は増大するも人材不足は解消しないといった状況に陥ります。
正しい評価制度の整備に取り組み、その上で賃金アップなどの待遇改善に取り組まなければ、狙い通りの効果は到底得られないのです。

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人事評価と職務評価の違い
人事評価と似ている取り組みの一つに、「職務評価」というものがあります。
これまで、当サイトで助成金について学んできた人にとっては、人事評価よりも職務評価のほうが身近かもしれません。
多くの企業に活用しやすいキャリアアップ助成金では、賃金規定等改定コースで賃金規定の改定と同時に、職務評価によって助成金の加算が受けられます。
このため、人事評価と聞いて職務評価を思い浮かべる人も多いのですが、人事評価と職務評価は似て非なるものです。
例えば、勤続年数が長く、それなりに昇進もして、管理職としての職務についている従業員を職務評価によって評価した場合、一般の従業員よりも良い待遇となります。
この従業員の管理職としての能力が十分ではなく、業績への貢献が期待ほどではなくとも、職務だけによって好待遇となる可能性があるのです。
これでは、人件費の使い方に大きな無駄が生じてしまいます。
そこで、人事評価によって評価することに意味があります。
人事評価では、対象となる従業員の能力や業績などを総合的に評価します。
管理職としての職務をこなしている従業員でも、能力や業績に問題があると判断されれば、評価は低くなります。
この評価が賃金や昇進にも反映され、無駄に高い賃金を支払ったり、高いポジションに就けたりすることがなくなります。

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職務評価が効果的な場合も
もちろん、能力や業績に差が出にくい業務では、人事評価が困難になることもあります。
例えば、多くのパートタイマーを雇っている工場で、全員があまり差のない業務をこなしているならば、勤続10年の従業員と勤続5年の従業員で、能力や貢献度にあまり差がないケースがあるでしょう。
このような場合には、勤続年数の長さを信頼や経験の尺度として、勤続年数を根拠にリーダー職などに就け、職務評価によって待遇を決めた方が効果的と言えます。
しかし、このようなケースを除いて、総合的な判断によって評価する人事評価のほうが、より的確な評価になりやすいです。

人事評価と職務評価の違いを理解して、使い分けることが大切だ。
人材確保へのメリット
人事評価のメリットは上記の通りですが、これが人材確保にどのようなメリットをもたらすのか、という観点からも考えてみましょう。
定着率アップ
人材確保のためには、定着率アップが欠かせません。
いくら採用活動に取り組んで新規に雇用しても、定着せずにすぐ離職してしまうならば、いつまでたっても人材不足は解消されないからです。
むしろ、採用コストは延々と負担になりますし、新規に雇用した人材に教育ためのコストもかかります。
さらに、ある程度経験を積むまでは業績への貢献度が低く、またチームワークを組み立てるまでにも時間がかかるため、生産性の低下にもつながります。
従業員が離職する理由の多くは、自分が理想とする待遇が得られないからです。
賃金が安い、時間外労働が多い、休暇を取りにくい、昇進の望みがないなど、色々な不満が考えられます。このような不満を解消することで、定着率のアップが期待できます。
その上で、人事評価が欠かせません。
いくら不満を解消するためとはいえ、賃金を引き上げる、時間外労働を減らす、休暇を増やす、昇進させるといった待遇改善には根拠が必要です。
賃金が良い例で、明確な基準のない状態で賃金を引き上げても、十分な不満の解消にはつながりません。
つまり、賃金が低いという不満は解消されても、きちんと評価されないという不満が新たに発生するのです。
だからこそ、人事評価制度という明確な評価基準を作り、それに基づく評価と待遇改善を実施することによって、初めて待遇に関する不満が解消され、離職を防ぐ効果も得られるのです。

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生産性の向上
生産性の向上も、人材不足解消に大きな効果があります。
10人で100の生産を行う会社は、1人あたり10の生産性です。もし、1人当たりの生産性を11に向上させることができれば、新規に1人雇用することなく、11人分の生産が可能となります。
人事評価は、生産性の向上にも大いに役立ちます。
これも、人事評価によって評価基準が明確になるからです。
人事評価によって、従業員は自分の評価がよくわかります。人事評価制度が精錬されたものであれば、不当な評価とは感じません。
待遇が向上した従業員は評価されていること実感し、モチベーションを高く保って仕事に励むことができます。評価されている実感は、「頑張ればもっと待遇が良くなる」という期待にもつながり、さらなる貢献を引き出します。
待遇が向上しない従業員も、評価されるためにはどうすればよいかを知ることができます。
これまで、「きちんと評価されないのだから、頑張るだけ無駄だ」と思っていた従業員も、考えを改めることでしょう。
これにより、会社が理想とする社員像に近づけるように、能力アップに努めたり、自主的に工夫を施したりすることができます。
このようなモチベーションの向上は、定着率を高めると同時に、生産性の向上につながります。

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教育もしっかり
さらに、人事評価がしっかりと行われれば、教育も適切に施すことができるようになり、これも生産性の向上につながります。
人事評価では、従業員の貢献度を正しく査定していくため、それを通して適材適所の人事を考えることもできます。
それぞれの従業員が最も力を発揮できるポジションに付け、そのポジションでさらに活躍できるように教育することもできます。
さらに、ポジション相応の教育を受ける際、意欲的に取り組むことができます。
適材適所の実践、人材ごとに最適な教育の実施、従業員自身の意欲的な学習という三拍子がそろうことで、教育の効果を大きく高めることができます。
モチベーションアップによる生産性の向上は、社内に活気が表れたり、自助努力を引き出したりすることで、生産性が向上していきます。
それに乗じて、会社から適切な教育を施していけば、生産性向上の効果はさらに高まっていきます。

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ダブルの効果で人材不足解消
定着率がアップすれば、既存の従業員が辞めることで戦力が大幅に削がれることも減り、新規に採用した人材が離職してしまうことも減り、慢性的な人材不足に悩まなくなります。
さらに生産性が向上し、生産性が向上しやすい環境を作っていくことで、より少ない従業員数で事業を成立させる、あるいは従業員を増やしながら事業を拡大することも容易になります。
もちろん、人事評価による教育の効率化によって、新規に採用した人材が早期に貢献度と生産性を高めていくことも可能です。
人事評価制度を整備することは、定着率アップと生産性向上のダブルの効果によって、着実に人材不足を解消していくことができるのです。

定着率アップも効果的、生産性向上も効果的。だが両方同時に取り組めば、人材不足への効果は1+1が3にも4にもなるのよ。
助成金の活用も加速する
以上のことをまとめると、人事評価とは、
と言えるでしょう。
これは、助成金の活用を加速することにもつながります。
不適切な評価による不適切な取り組みでは、助成金の活用はうまくいきません。
無期雇用や正規雇用への転換、賃金アップ、諸手当の充実、設備の導入、両立支援、教育の実施など、中小企業が助成金を受給できる取り組みは様々です。
しかし、不適切な評価しかできない会社では、不適切な評価をもとに転換や賃金アップを図ることになり、待遇を改善する対象を誤ることになります。
このため、様々な取り組みによって助成金を受給しても、取り組みによる経営へのプラスの効果が得られなくなります。むしろ、負担が増大するでしょう。まさに、問題が問題を生み出す悪循環です。
本来、助成金とは、会社にプラスになる取り組みを実施し、プラスの効果を得つつ、なおかつ助成金の受給によって負担を軽減し、さらなる問題解決のために助成金を再投資し、好循環を生み出していくためのものです。
人事評価の整備によって、助成金の受給につながる様々な取り組みが正しく行われるようになれば、それぞれの取り組みで期待される効果を着実に得ることができ、好循環が生まれやすくなるのです。
さらに、多くの助成金では生産性要件を満たすことで、追加助成を受けられる仕組みになっています。
人事評価を通して生産性が向上すれば、活用していく多くの助成金で追加助成を受けられる可能性が高まり、財務的なメリットが増大していき、好循環も加速していきます。
以上のように、人事評価制度の整備は助成金の活用に欠かせない要素となります。
人事評価制度の整備そのものによっても受給できる助成金があるので、是非活用していきましょう。

人事評価は定着率アップ、生産性向上、人材不足の解消。さらに助成金の活用にも役立つのだ!
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まとめ
人材不足が深刻化している昨今、中小企業にとって助成金の必要性が高まっています。
人材を確保しながら助成金を受給することで、できるだけ小さな負担で人材不足を解消していくべきです。
助成金を受給しながら人材不足を解消するために、様々な取り組みを実施していくとき、それぞれの取り組みの効果を引き上げていくためにも、人事評価が欠かせません。
ぜひ、人事評価制度の整備に取り組み、抜本的な改革を目指してください。
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