育児休業等支援コースに取り組むとき、代替要員を新規雇用しなければ追加助成を受けられる!

育児休業に伴って受給できる助成金のなかに、両立支援の育児休業等支援コースがあります

このコースを利用すれば、育児休業の取得・職場への復帰・代替要員の確保など、複数のタイミングで助成金を受給することができます。

本稿では、これらのタイミングのうち、職場への復帰時に受給できる助成金と、代替要員を新規雇用したタイミングで受給できる助成金について解説していきます。

育児と仕事を両立するための助成金

近年、労働人口を確保するために、働き方改革が推進されています。

その一環として、政府は様々な形での両立支援に力を入れています。

中でも、育児休業の取得を促進することは、労働人口の確保のために非常に重要なことです。

出産・育児と仕事を両立しやすい社会になれば、出産・育児をきっかけとして離職する必要はなくなります。

出産・育児が一段落してから職場に復帰することで、労働人口の維持に役立ちます。

また、出産・育児と仕事の両立が可能であれば、「まだ仕事を続けたいから、子供を作るには早い」と考えることもなくなり、安心して子供を設けることができる社会になります。

これにより、将来における労働人口の確保にもつながるのです。

したがって政府は、出産・育児と仕事の両立支援を促すために、助成金制度も実施しています。

両立支援等支援助成金の育児休業等支援コースを利用すれば、育児休業を取得したときや、育児休業終了後に職場に復帰したとき、助成金を受給することができます。

→育児休業取得時の助成金については、以下の記事で詳しく解説しています。

本稿では、育児休業を取得した後に、職場に復帰することで受給できる助成金について見ていきましょう。

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両立支援で受給できる助成金はたくさんあるが、育児休業等支援コースもメリットが大きい助成金だぞ!

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職場復帰による助成金

育児休業の取得から、職場復帰までの流れは以下の通りです。

  1. 労働協約や就業規則に、育児休業の取得と復職に関する規定を明文化し、実施することを従業員に周知する。
  2. 育休復帰支援プランを作成するために面談を行う。
  3. 育休復帰支援プランを作成する。
  4. 育休復帰支援プランに基づいて業務の引継ぎを行う。
  5. 3ヶ月以上にわたって、育児休業を取得させる。
  6. 3ヶ月以上が経過したら、育児休業の取得について助成金の支給を申請する。
  7. 育児休業が終了した後に、職場に復帰させる。
  8. 6ヶ月にわたって継続して雇用する。
  9. 職場復帰から6ヶ月後、職場復帰について助成金の支給を申請する。

職場復帰による助成金の受給要件

まず知っておくべきことは、育児休業取得時に助成金を受給していることが、職場復帰時の助成金の受給要件となっていることです。

育児休業を3ヶ月以上取得させることで助成金を受給した中小企業だけが、職場復帰時の助成金を受給することできます。

このため、手続きのミスなどによって育児休業取得時に助成金を受給できなかった会社では、職場復帰をプラン通りに進めている場合でも、職場復帰による助成金を受給することはできません。

その他の受給要件としては、次の要件があります。

  • 育児休業取得時に立てていた育休復帰支援プランに沿って職場に復帰していること
  • 育児休業の終了前(育児休業終了日の約2ヶ月前)と終了後(育児休業終了日の約2ヶ月後)に上司または人事労務担当者が育児休業取得者と面談し、記録していること
  • 原職(育児休業開始前のポジション)に復帰させていること(復帰後に雇用保険被保険者として6ヶ月以上雇用していること)

なお、形だけの復職になってしまうことを避けるために、復職後の6ヶ月間に一定の就労実績がない場合には、助成の対象とはなりません。

「一定の就労実績」とは、復職後の実際の就労日数が、復職後に予定していた就労日数の5割以上である場合に、一定の就労実績があるとみなします。

 

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人材の流出を防ぐために取り組むのだから、6ヶ月以上の継続雇用、予定就労日数の5割以上の就労などは簡単にクリアできるだろう。

職場復帰による助成金の支給額

育児休業を取得させた従業員を復職させ、上記の要件を満たした会社には、

1人につき28.5万円(生産性要件を満たしている場合には36万円)

を支給します。

これも、育児休業取得時の助成金と同様に、1企業あたり2人までとなっており、有期契約労働者と、雇用期間の定めのない労働者でそれぞれ1人ずつとなっています。

育児休業の取得によって助成金を受給していることが要件ですから、職場復帰時の助成金とあわせて59万円(生産性要件を満たしている場合には72万円)を受給していることになります。

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代替要員の雇用の有無に関する加算

ここまでで育児休業取得時と、復職時の2回にわたって助成金を受給することができました。

育児休業等支援コースの受給で大切なことは、育児休業取得者が担っていた業務を、他の従業員に何らかの形で引き継ぎ、育児休業中も停滞させないことです。

この時、育児休業取得者がこなしていた業務を停止するわけにはいきませんから、

  • すでに雇用している従業員が育児休業取得者の業務を代替する
  • 代替要員を新規に雇用したうえで育児休業取得者の業務を代替する

といった方法によって、業務を代替する必要があります。

それぞれの場合で受給できる金額が異なり、代替要員を雇用しなかった場合には、上記の職場復帰による助成金に加算を受けられます。

代替要員を雇用せずに取り組む場合、上記の育児休業の取得・復職の流れと同時進行で、

  1. 業務の効率化や賃金制度の整備を実施する。
  2. 業務を代替する従業員に面談を実施する。
  3. 代替する業務の引継ぎを行う。
  4. 業務代替者が、育児休業期間中、業務を代替する。
  5. 育児休業取得者が職場に復帰し、6ヶ月にわたって継続雇用した後、復職時の助成金に加算される。

という流れで取り組みます。

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業務の効率化や賃金の増額が必要になるから、多少ハードルは高くなるわ。

※育児休業等支援コースで、代替要員を新規雇用した場合の助成金について、詳しくはこちら

代替要員なしで積極的に取り組むべき理由

助成金制度では、生産性要件を満たした場合や、特別な認定を受けている場合に加算する仕組みがありますが、助成金の加算は質の高い取り組みを実施した会社が対象となります。

代替要員を雇用しない場合も同様です。

代替要員を雇用せずに育児休業の取得と復職に取り組むのですから、取り組みの質を高め、なければ、育児休業取得者の穴を埋めることは困難です。

業務を引き継ぐ従業員は、その分だけ仕事が増えることになるため、問題なく業務を遂行していくためには、業務の効率化を図ったり、業務を代替する従業員に割増賃金(業務代替手当、特別業務手当など)を支給したりする必要があります。

これらの取り組みには、それなりにコストがかかるため、助成金の加算を受けられるのです。

すでに人手がギリギリの会社では、新規に雇用することなく、従業員に業務を代替させることは困難に思えるかもしれません。

しかし、追加助成を目指して取り組むことによって、

  • 追加助成によってコスト負担を軽減できる
  • 業務効率化に取り組むことができる
  • 今後、育児休業の取得を希望する従業員が出たときに、スムーズに対応できるようなるため
  • 両立支援を必要とする従業員を、職場内で支えていく相互扶助の社風が生まれる

といった、様々なメリットが得られます

なお、業務を代替する従業員は複数でも問題なく、少しずつ手分けして分担し、少しずつ効率化して対応することも可能です。

自社で可能な範囲で工夫しながら、できるだけ代替要員を確保することなく、育児休業取得・復職に取り組みたいものです。

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助成金の加算は目的ではない。業務効率化と、育児休業・復職の円滑化が目的なのだ!

代替要員なしの場合に加算される助成金額

代替要員を雇用することなく、業務効率化に取り組み、割増賃金を支給しつつ、すでに雇用している従業員によって業務を代替した会社には、復職時に支給される助成金に対して、

1人につき19万円(生産性要件を満たしている場合には24万円)
を加算します。

したがって、育児休業取得時、職場復帰時の助成金と、代替要員を新規雇用しなかったことによる追加助成によって、合計で1人につき78万円(生産性要件を満たしている場合には96万円)を受給することができます。

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受給の為には業務効率化が必要不可欠

上記の通り、追加助成のためには業務効率化が必要不可欠です。

業務効率化がうまくいかない会社では、複数の従業員に少しずつ代替させることで、業務を効率化してカバーするのではなく、単に大勢で負担して人数でカバーしようとする会社もあります。

しかし、業務効率化を伴わない会社では、追加助成は受けられないので注意が必要です。

追加助成のためには、

  • 業務の一部の休止・廃止 (業務の棚卸を実施し、採算性の低い業務や無駄な業務を休止・廃止する)
  • 手順・行程の見直しなどによる効率化(手順や行程における無駄を減らし、業務量を減らす)
  • マニュアルなどの作成による業務、作業手順の標準化(従業員間での業務の取り組み方を標準化し、足並みをそろえることで効率化を図る)

という業務効率化のための明確な取り組みを実施する必要があります。

これは、支給申請の際に書類で確認されるため、全て確実に実施し、結果が確認できるレベルで取り組まなければなりません。

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自社へのメリットを最大化するには、業務効率化が単なるポーズにならないよう、しっかりと取り組んでいくことが大切よ!

業務代替の負担は大きいので注意しよう

ただし、言うは易く行うは難しで、業務効率化がうまくいかずに、代替要員を新規雇用しないことによって生じる負担が大きくなってしまうこともあります。

何と言っても、代替要員を新規雇用しない場合のハードルは非常に高いです。

助成金の受給のためには、業務を代替する従業員が以下のすべてを満たしている必要があります。

  • 業務代替者は、連続1ヶ月以上・合計3ヶ月以上にわたって業務を代替しなければならない(たくさんの従業員が、数日ごとに交代してリレー方式のように代替しても認められない)
  • 業務代替期間における業務代替者の賃金は、1ヶ月ごとの業務代替期間において、1人につき1万円以上増額されている期間が合計3ヶ月以上でなければならない(業務代替者への賃金は確実に増額されなければならい)
  • 業務代替期間において、全ての業務代替者の1ヶ月ごとの所定外労働時間が7時間を下回っていなければならない。(業務を効率化することなく、所定外労働時間を増やすことで代替してはいけない)

この要件の厳しさは、具体的な数字で考えてみるとよくわかります。

育児休業を取得する従業員の毎月の所定労働時間が80時間(1日5時間・月16日勤務と仮定)であれば、この80時間分の職務を他の従業員が代替する必要があります。

業務代替者の1ヶ月ごとの所定外労働時間は7時間以下でなければならないため1ヶ月の所定外労働時間がすでに7時間を超えている会社では、代替要員を新規雇用しなければかなり厳しいでしょう。

また、いくら業務を効率化するといっても、80時間分もの業務を代替するのですから、1人の従業員で代替することは困難です。

ほとんどの場合、複数の従業員によって代替することになります。

業務効率化によって、従来の業務に必要な労働時間が80%に削減されたとすれば、育児休業取得者の1ヶ月間の業務を代替するために必要な労働時間は64時間に削減されます。

1日8時間・月22日出勤している正社員ならば、必要な労働時間は176時間から140.8時間へと削減され、約35時間の余裕が生まれます。

他人の業務を代替するため、やや生産性が落ちることを考慮しても、正社員2人がかかりで代替すれば、育児休業取得者の業務を代替することができるでしょう。

 

しかし、業務効率化がうまくいかなければ、業務の代替のための時間の余裕を生み出すことができず、所定外労働時間が増えて助成金を受給できなくなります。

また、育児休業の取得促進によって他の従業員に大きな負担となれば、従業員たちは「育児休業はこりごり」と考えるでしょう。

そうなれば、育児休業を申請しにくい雰囲気となり、育児休業の取得促進が広がることもなく、骨折り損のくたびれ儲けになってしまいます

そのような懸念がある会社では、無理に代替要員の新規雇用を避けるのではなく、新規雇用によって育児休業に取り組んでいくことをおすすめします。

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せっかくの取り組みが無駄にならないためにも、業務効率化には計画的に取り組もう。
無理は禁物だよ!

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まとめ

育児休業等支援コースを利用し、代替要員を雇用せずに加算まで受けたならば、合計で1人当たり96万円、対象労働者が2人であれば192万円の助成金を受給することができます。

この金額は、生産性要件を満たした場合の受給額ですが、加算を受けるために業務効率化に取り組んでいるため、これが生産性の向上につながり、生産性要件もクリアできる可能性は十分にあるでしょう。

出産・育児を経て復職してもらうことで、人材の流出を防ぐことにもなります。

業務効率化にもつながり、助成金まで受給できるのですから、ぜひ育児休業等支援コースを活用してみてはいかがでしょうか。

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