補助金の書類審査で他社に大きく差をつける申請書の書き方の全て

補助金は、国や自治体の政策を推進するために、会社や個人に対して支給されるものです。

銀行融資とは異なり、返済の必要がないため、うまく利用することで経営に役立てることができます。

新規に取り組む事業が補助金事業として認められ、費用の一部を負担してもらうことができれば、リスクを下げつつ新規事業に取り組むことも可能です。

しかしながら、補助金は採択された会社にだけ支給されるものであり、書類審査なども厳しく行われます。

書類審査で採択されなければ補助金はもらえませんから、本稿では申請書の書き方を解説していきます。

書類審査の流れ

まず、書類審査の簡単な流れについて解説しておきましょう。

といっても、審査の流れは非公開であるため、一般に知られている範囲内での解説となることをご了承ください。

書類審査は、まず外形審査、次に内容審査という流れで行われます。

この二点の審査で書類審査は終了し、この時点で応募した会社は採択上限の2倍程度にまで絞られるとされています。

 

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その後、面接審査によってさらに半分が削られ、採択に至るよ!

倍率が高ければ高いほど、書類審査で落とされる会社数は増え、難易度が上がるといえるでしょう。

では、外形審査と内容審査とはどのようなものなのでしょうか。

外形審査

まず外形審査ですが、これは補助金の対象であるかどうか、応募要件を満たしているかどうかによる審査です。

補助金を申請する会社の中には、要件を満たしていないにも関わらず応募してくる会社が少なからずあるようです。

例えば、会社規模(従業員数や資本金など)が要件を満たしていない会社が応募してきている、募集エリアをはずれている会社が応募してきているなどのケースです。

このような会社が採択されることはありませんから、内容を審査するまでもなく落ちることになります。

いわば一段階目の足切りと言えます。

内容審査

内容審査とは、外形審査で問題ないとされた会社に対し、申請書の内容によって審査してくものです。

本稿のメインテーマも、この内容審査に関するものと考えてください。

内容の審査は、一定の基準を設け、各申請書をランク分けする形で評価されているといいます。

評価しているのは審査委員であり、申請書を評価する審査員によって申請書の評価は異なります

例えば、会社の事業をよく知らない審査員にとっては良く見える申請書も、会社の事業をよく知っている審査員にとってはあまり良くない申請書に見えることもあります。

その逆の場合もあるでしょう。

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このとき、両者の評価は大きく変わることになるよ!

内容審査には、このような側面があることも理解しつつ、申請書を作っていく必要があるといえます。

記入例は頼りにならない

なお、内容審査に通りたいと考えた時、多くの人が申請書の記入例を参考にしようとします。

記入例として挙げられているものを見て、「このくらいのレベルが求められているのだ」と考えるのですが、記入例レベルではほぼ間違いなく落とされます

これには以下のような理由があります。

記入例のレベルが高くない

まず、そもそも記入例のレベルはそれほど高くないということを知るべきです。

記入例を作るのは、補助金に関する国や自治体の担当者です。

事業者でもなければ、補助金を受けたいと真剣に考えている人でもありません。

そのような人が作った記入例のレベルは低くて当たり前です。

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だからこそ、記入例レベルでは落とされるのだ!

記入例を参考にする会社が多い

また、記入例レベルが求められていると考える会社が多いことも理由です。

他社と同じようなことを書いていても、審査員の印象には残りません。

補助金を受けられるのは一部の会社だけです。

他社と同じことをやっていても、「その他大勢の中の一社」としか見なされないのです。

しかも、審査員は記入例など読まずに審査することがほとんどです。

記入例を読まずに、記入例レベルの申請書が多いことを見ると、「この申請書には個性がない」、「これもまた同じような感じ」、「またこれも」といった感じで切り捨てられることも十分に考えられます。

ハイレベルな会社が採択される

補助金を受けたいと考える会社は非常に多いものです。

上記のように、記入例レベルの申請書を作成する会社が多い中で、真剣に取り組んでいる一部の会社の申請書はハイレベルです。

一部にハイレベルな申請書があり、その中から採択されていくのですから、記入例レベルでは落とされることが分かると思います。

自社もできるだけハイレベルなものを作成し、他社を凌いでこそ、初めて採択の対象に食い込んでいくことができるのです。

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審査員の性質から申請書を考える

では、審査委員とは何なのでしょうか。

これは、補助金事業を審査する人々のことであり、外部の専門家が選ばれて審査委員を構成します。

技術的なことやビジネス的なことに精通している専門家、例えば大学の教授や研究所の所長、大企業の役員やコンサルタントといった、多方面の専門家によって多角度的に審査されるのです。

これらの人々は、審査を専門の仕事としているわけではなく、それぞれ仕事を持っている人が依頼を受けて審査にあたっているものです。

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当然ながら、多忙な人ばかりであり、審査に多くの時間をかけられない事情があるのだ。

このことから、申請書や面接でだらだらと説明していると、それによって採択されなくなる可能性があるといえます。

審査委員が誰かを考えることも、申請書づくりの重要な視点だといえます。

自社の業種には精通していない

なお、上記の通り審査員は専門家であり、深い知識を持っています。

しかし、それはあくまでも、それぞれの審査員の専門分野においてのことです。

これに対し、補助金事業は多方面に及び、様々な業種の会社が応募します。

したがって、自社が補助金に応募した時、自社の業種に関する専門家がいない可能性も高いと考えてください。

特定の分野の専門家も、対応していない分野では一般的、あるいはそれ以下の知識しか持ち合わせていないものです。

その一方で、申請者である会社側は、自社の分野に精通しています。

そのため、説明が専門的になり、審査員に伝わらないことがあります。

特に、一般ではなじみのない業界用語、専門用語などを知らず知らずのうちに使ってしまうことが多いようです。

他にも、業界の慣習や業界の環境、顧客のニーズなど、自社ではよく理解していることでしょうが、審査員にはわからないことも多いものです。

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このような事柄について、理解していることを前提に話を進めてしまうと、大変なことになるぞ!

相手は専門家であるという安心感もあるのでしょうが、自社の業種の専門家でなければ、そのような説明では「説明が分かりにくい」という印象しか与えません。

これは、大きなマイナスです。

上記の通り、審査員は多忙ですから、分かりにくい申請書を理解しようと努めるよりも、そこで「分かりにくいからダメ」「表現力がないからダメ」などと判断し、落とされてしまうこともあります。

審査員の中には、分かりにくいものでも読んでくれることもあるかもしれません。

しかし、これも良い結果につながることはあまり期待できません。

なぜならば、相手は専門家であり、専門家としての知識や誇りから、分からないことを認めたがらず、無理に理解しようとするからです。

誰でも、分からないものを無理に分かろうとすると、勘違いに行きつくことが多いものです。

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勘違いされ、自社の意図が正確に伝わらなければ、採択に至らない可能性が高まるわ。

図表などで分かりやすく

相手は専門家であるという安心感を持つことなく、むしろ自社の事業にとっては素人であると考えておくのがちょうど良いでしょう。

したがって、申請書を書く際には、できるだけ理解しやすくなるように工夫すべきです。

よく考えられる工夫は、図や表、スケッチ、写真などを添えることです。

例えば、形あるものを説明する場合、文章だけで説明されても良くわかりませんし、誤ったイメージを抱きやすいものですが、これも実物の写真やイメージ図などがあれば、正確に理解してもらうことができます。

また、自社の事業構造も図示することで分かりやすくなるでしょうし、競合他社との比較や市況を説明する際に統計グラフなどを用いると、分かりやすくなるでしょう。

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この時に用いる図は、簡単なものがおすすめだ!

複雑な図を用いたり、多数のグラフを関連付けて説明しようとしたりすると、ここで「説明が分かりにくい」と思われてしまいます。

そもそも、図表やイメージというものは、分かりやすくするために添えるものなのですから、それによって分かりにくくなってしまえば本末転倒です。

主観的にならない

図表などを用いる時に重要なのが、主観的にならないことです。

特に、補助金の申請書では、書き手が自分を良く見せようとするのが普通ですから、主観的な表現は恣意性を疑われ、嫌われるのです。

したがって、図表などを用いる時は、理解しやすくすると同時に、客観的に書くことを意識しましょう。

例えば、信頼できるデータを用いたり、新聞の記事や専門書の内容を参考に挙げたりしながら書くことで、客観性をアピールすることができます。

事業計画の中心は自社の売り

申請書のほとんどは、大きな意味での事業計画が占めていますが、その事業計画の中心となるのは、自社の売りとする部分です。

補助金をもらって補助事業を始めるからには、その事業に実現性がなければなりません。

裏付けのある自社の強みこそ、補助事業を実現へと導くものです。

事業計画を作っていく中で、自社の強み・アピールポイントが明確であり、それによる事業の実現性が見込めるかどうか、説得力があるかどうかということが非常に重要です。

もちろん、審査で見られるのは事業に実現性だけではなく、独創性や新規性、技術力など、色々な項目があります。

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しかし、これらの項目も自社の売りから出てくるものよ!

自社の売りというものは、独創的だから売りになっていたり、技術力があるから売りであったり、そこから新規性が生まれたりするものだからです。

つまり、自社の売りを的確にアピールできることは、事業の実現性だけではなく、審査全体に良い影響を与えます。

ストーリーで説明する

自社の売りを的確にアピールするために重要なことは何でしょうか。

よくある間違いは、「自社の売りくらいわかっている」と甘く考え、申請書にいきなり取り掛かり、申請書の問いかけに対して、行き当たりばったりで回答していく中で、自社の売りをアピールしていこうとする方法です。

しかし、このような書き方には流れがなく、理解しにくいものとなります。

正しくは、申請書の全体を把握し、自社の売りをどの部分で、どのようにアピールしていくかを整理したうえで書き始めることです。

そうすれば、流れを作っていくことができます。

つまり、ストーリーを作りながら説明することで、説得力を持たせることができるのです。

 

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ストーリーとは物語のことだ!物語とは、話をスムーズに進めるための流れだよ!

物語は一貫した流れに沿って進めていきます。

流れを無視してあっちこっちに話が散らばると、支離滅裂で話が分からなくなります。

小説における伏線などは、一見すると流れを無視していますが、これも流れを守っています。

流れを踏まえて、的確な場面で伏線を差し込まなければ、話が分かりにくくなってしまうからです。

もちろん、事業計画は小説ではありませんから、伏線の必要もなく、ただ流れを作ることに専念すれば問題ありません。

自社の売りをアピールするためには、現状を把握し、現状に対する自社の売りを説明します。

自社の売りが現状に与える影響を説明し、実行のための計画性を添え、結果的に目的を明確化するという流れになります。

例えば、

  1. 現在、日本は高齢化社会である。
  2. 高齢者向けの○○が、未だ十分に普及していない状況である。
  3. 当社では、従来から~~~~の技術に注力してきた。
  4. これにより、○○の普及が遅れている問題に対し、・・・・・というアプローチができる。
  5. ・・・・・の結果、問題が解決されたならば、これくらいの事業となる。
  6. 実行にあたっての実施体制は△△△△とし、□□□□という計画で展開していく。
  7. 将来的には、××××のように展開していき、かくかくの波及効果を期待している。

それによる経済効果や雇用創出効果は、しかじかと見込まれる。

といった感じです。

流れがあることによって、説得力があることが分かると思います。

書かれていることは同じ内容でも、上記の1~7の説明の順序が入れ替わってしまうと、分かりにくくなることでしょう。

全体像を理解し、補助金の趣旨を踏まえて、自社の売りをストーリーによって説明していくと、理解しやすく、納得を得られるものとなります。

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第一印象となる「事業計画の概要」

さて、上記のことを踏まえて、申請書の具体的な書き方に迫っていきましょう。

本稿で取り上げるものは、多くの補助金に共通する代表的な項目です。

審査で重要な項目でもありますから、注意深く書いていくべき項目とも言えます。

まず、事業計画の概要という項目があります。

これは、補助金の申請書の冒頭部分で求められる項目であり、文字数は100文字程度などと制限されていることも多く、だらだらと書くことはできません。

 

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つまり、これは事業計画の顔、第一印象とも言える部分よ!

人は見た目が9割などと言いますが、事業計画においてはこの部分が9割と言っても過言ではありません。

審査委員はこの部分を最初に読み、申請書に何らかの印象を持ちます。

印象が悪ければ、あまり真剣に読まれなくなる可能性も高く、その後の内容で取り返すのは困難となります。

概要だけで切り捨てられてしまうかもしれません。

逆に言えば、最初の印象がよければ、それだけで採択の可能性は大きく上がります。

内容にも、期待や興味をもって読んでもらえるからです。

客観的に自社の売りをまとめる

では、事業計画の概要はどのように書けばいいのでしょうか。

ごく限られた文字数の中で書くのですから、工夫がなければ魅力的なものを書くことはできません。

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その工夫とは、ポイントを1つに絞ることだ!
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その1つとは、言うまでもなく事業計画の骨子となる自社の売りよ!

自社の売りはなんであるかをよく考え、それが売りとなる背景とともに、簡潔にまとめていきましょう。

売りに関する具体的なことは、その後の内容に任せるとして、ここでは簡潔にまとめます。

また、それが売りになることを納得してもらうためには、客観的事実も重要です。

例えば、自社の商品や技術が

  • 「新聞でも取り上げられた」
  • 「ワイドショーで放送されたことがある」
  • 「○○を受賞した」
  • 「(業界では権威ある)○○氏も認めた」
  • 「○○からも協賛をいただいている」

などの客観的技術を盛り込みます。

このような客観的事実があれば、審査員の見方も大きく変わってくるでしょう。

背景、自社の売り、客観的事実の三拍子を含みつつ、事業計画の概要を簡潔にまとめることができれば第一印象はかなり良いものとなります。

実施体制の具体性が重要

事業計画の中では、実施体制も求められます。

これは、社内だけではなく、社外なども含め、事業全体の体制のことです。

実施体制を記載する際には、それを構成する個人や組織について、簡単なプロフィールと事業における役割、その役割を担うべき根拠などを記入します。

個人ならば、その個人が属する組織での役職、社会的立場、専門分野、過去の実績、事業に活かされる知識や技術などを書きます。

他社と連携して実施する場合には、各社のプロフィール、役割、事業に活かせるノウハウや強みなどを書いていきます。

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ポイントは、固有名詞をどんどん使うことだ!

大学教授ならば大学名、専門とする分野、取得した特許、権威を持つ学会、顧問をしている企業などの名称について、どんどん固有名詞を出していきます。

そうすれば、その個人が事業に参加していることの意味が明確になります。

連携する会社にしても、製造しているもの、親会社、事業所の地名など、固有名詞を出していきます。

また、会社の場合には数字を出していくのも効果的です。

国内や業界でのシェアが何%であるか、国内や海外に工場をいくつ持っているか、生産量はどれくらいであるかといったことを、具体的な数字とともに記載していきます。

そうすることで、その会社と連携することでの事業への影響を、具体的に理解してもらうことができます。

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取り組みも具体的に

事業計画の遂行にあたり、具体的にどのように取り組んでいくかを説明するのが「取り組みの内容」という項目です。

この項目を説明するにあたっても、具体性が重要です。

すなわち、具体的にどのような活動を、どのような順序で行い、それがどのような結果をもたらすかを書いていくのです。

そうすることによって、審査員は事業の進め方を具体的にイメージすることができます。

ここでも、必要に応じて図表やイメージ図などを入れるようにします

また、実施体制と同様に、取り組む中でかかわっていく機関や会社や個人については、固有名詞や数字とともに説明することで、その取り組みの有効性や、取り組みの順序としての正確性を理解してもらうのに役立ちます。

このように、取り組みを理解してもらうためには、各取り組みをいかに具体的に説明するかということが重要となります。

 

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注意したいのは、具体的になることと、専門的になることを混同しないことだ!

具体性を出すためと思って専門的な内容を盛り込み、却って理解しにくくなってしまうのでは本末転倒です。

あくまでも理解を助け、納得を得るための具体性であると考えてください。

そして、具体的な説明を通して、取り組みにおける課題がどのように解決され、それが補助事業の実現性を高めていくこと記述してまとめることが大切です。

大切なのは事業の実現性であり、取り組みがここから遊離したのでは意味がありません。

実行可能性のあるスケジュールを

事業スケジュールも求められます。

これは、上記で説明した取り組みを進めていくスケジュールを書くものです。

スケジュールはあくまで予定であるから、大雑把に書けばよいと考えたら大間違いです。

なぜならば、大雑把すぎるスケジュールは計画性のなさであると捉えられ、マイナスに影響するからです。

また、採択された場合には、そのスケジュールに沿って事業を進めることを求められますから、緻密に建てられた計画でなければ実行できなくなってしまいます。

したがって、縦軸には各取り組み、横軸には時期を記載し、各取り組みに要する期間を矢印で示すようなスケジュール表を作る必要があります。

ただし、このようなスケジュールを作ればそれでよいというものでもなく、重要なのは実行可能性です。

あまりにタイトなスケジュールには実行可能性がないとみられますし、あまりにもダラダラとしているスケジュールからは真剣さが感じられません。

各取り組みに必要な時間を十分に考え、実行可能なスケジュールを立てるようにしましょう。

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データから市場を語る

事業を取り巻く市場も、事業計画に大きな影響を与えます。

その事業を進めていく上で、事業の対象となる市場の規模がどうであるかによって、事業計画は大きく変わります。

もっと重要なのは、市場をどう捉えるかによって、事業計画が大きく変わるということです。

例えば、介護向けの商品を展開していくならば、その商品が特定の介護施設向けであるのか、要介護者全体向けであるかによって異なるでしょう。

特定の介護施設向けであれば、市場規模はそれほど大きくないと思われますが、要介護者全体向けであるとすればかなりの市場規模になります。

競合他社との比較をしていくにしても、特定の介護施設向けとした場合よりも、要介護者全体向けとした場合の方が、競合は激しくなります。

特定の介護施設向けならば中小の会社との競合になり、要介護者全体向けとなると大手企業がほとんどのシェアを占めていて競合以前の話、という違いがあるかもしれません。

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このように、市場の捉え方によって、市場規模も競合相手も変わるのだ。

それに応じて、事業計画も変わります。

自社が展開する市場を適切に選び、事業計画へと結び付けていくことが大切です。

ここで役立つのが、統計データです。

一番いいのは、政府などが出す公的な統計です。

もちろん、公的統計では見当たらない場合には、民間の調査機関の統計を使うことができます。

統計データを使う際のポイントは、複数の統計によって、色々な角度から説明することです。

公的データ、民間のデータ、アンケート調査、新聞記事、雑誌記事などを通じて、予定している補助事業に強い潜在的ニーズがあることが分かれば、非常に良い説得材料となります。

色々な切り口でデータを探していくと、審査員を納得させることができるほか、自社でも気づきが得られ、事業計画の精度を高めるうえでも役立ちます。

競合他社のデータも取り上げる

競合他社のデータも積極的に取り上げていくことが大切です。

自社に都合が悪くなりそうだからといって、競合データを取り上げないと、大きくマイナス評価を受けることになります。

なぜならば、競合の扱う商品やサービス、シェア、評判、販路、戦略などのデータを十分に集めてこそ、競合に対抗する方法も考えられるからです。

もし競合データをあまり取り上げていなければ、競合に対する分析が不十分であり、市場での競争に敗れて事業が失敗に終わる可能性が高いと思われかねません。

 

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したがって、競合のデータは積極的に取り上げるようにしよう!

競合になると思われる会社や製品を取り上げ、その特徴や強みなども示し、その上で自社の技術や商品の強みをもって市場に食い込んでいける可能性を示すのです。

重要なのは、競合の特徴と欠点、その欠点に対する自社の強みというまとめ方をすることです。

売上と利益の計画は根拠を示す

「売上と利益の計画」という項目は、これまで説明してきた事業計画を数字で表現していくものです。

審査員の中には、この項目をかなり細かく見て、数字におかしな点があればマイナスに評価したり、面接の際に厳しく追及してきたりするため、注意深く作っていく必要があります。

具体的には、以下の点に注意するのが良いでしょう。

売上にみる事業の効率

補助事業の効率は重要な点です。

支給される補助金に対し、得られる成果、つまり事業の売上が過少であれば、補助金を支給するだけの意味がないと捉えられます。

また、売上が過大である場合にも、現実味がないと捉えられます。

適切な売上の水準を保つことは、非常に重要です。

利益にみる事業の継続性

初年度は補助事業を立ち上げたばかりですから、赤字になる可能性も十分にあり、そのような計画になっていてもあまり問題にはされません。

しかし、2年、3年と赤字が続くようであれば、事業の継続性が乏しいと考えられます。

初年度は赤字でも、2~3年目は黒字になる計画であるべきです。

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また、利益率も重要だ。

利益率が低すぎれば黒字の維持は難しく、事業の継続性を疑われます。

もちろん、高すぎる利益率は現実味がありません。

売上計画はこう立てる

では、適切な水準の売上計画はどのように立てるのでしょうか。

これは、いくつかの方法によって建てることができます。

営業活動の計画から売上を計画する。

例えば、営業担当者が10人いて、それぞれ年間でa万円の売上を獲得するならば、10a万円の売上を見込むという計画の立てる(積み上げ法)

市場において、自社が獲得できるシェアを予想し、市場規模から売上を計画する。

例えば、市場規模がb億円であり、自社のシェアが10%を見込むならば、1/10b億円の売上を見込む。

(市場規模比較法)

過去に類似した販売を展開した経験・実績をもとに売上を計画する。

(実績比較法)

他社の類似商品をもとに売上を計画する。

(他社実績比較法)

売上計画を立てる際には、上記のどれか一つではなく、複数を組み合わせることが大切です。

例えば、

  • 積み上げ法によってx万円の売上が見込まれる
  • 自社が過去に類似の方法で販売した際の実績から考えても、x万円が妥当である
  • また、既に競合のA社が展開している商品の実績からも、x万円の売上が予測される

などと考えて売上計画の根拠を示せば、計画の信頼性が高まります。

経費の見積もり方

次に、経費の見積もり方を見ていきます。

経費は、仕入れ費用、外注費、人件費、通信費、市場調査費、宣伝広告費といった必要となる費用を細かく足し合わせていくことで算出します。

ただし、この方法は、必要な経費が抜け落ちていたり、後で想定外の経費が必要になったりするというデメリットがあります。

しかし、この方法以外には経費を計算することができませんから、計画段階では注意深く経費を挙げて算出します

補助金を左右する経費明細表

申請書の終盤で、経費明細表が求められます。

これは、補助金の支給額を左右するものですから重要です。

そもそも補助金は、採択されたら即座に支給されるものではなく、補助事業の実施後に支給されるものです。

補助事業の実施に伴って必要となる経費に応じて支給されます。

しかし、経費を申告するのは補助事業の実施後ではなく、計画段階です。

事業計画で見込んだ経費をその通りに使い、計画通りの経費を申告し、支給を受けるという流れになります。

ただし、補助の対象となる経費は細かく決められています。

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それ以外の経費は補助対象とはならないのよ!

したがって、事前に補助制度の内容を詳しく確認し、経費になるものと経費ならないものをきちんと認識しておく必要があります(補助制度の説明書を読むと、補助の対象になるものとならないものとが詳しく書かれています)。

一例を挙げるならば、消費税は補助対象経費とはなりません

そのため、計上する各経費においては、確実に消費税分を差し引いたものとして計上していく必要があります。

このように、うっかり計上してしまいがちなものもありますので、注意しながら計上していきましょう。

経費は正確に

経費を記入する際、大きめの金額を記入する人が多いようです。

しかし、そのようなことをしても、もらえる補助金は増えないので注意してください。

例えば、補助率は1/3、補助上限額は1000万円の補助制度で、1000万円の補助を受けるために3000万円の経費を見込み、それが認められたとします。

しかし、補助金は実際にかかった経費をもとに補助されます

実際には2000万円しかかからなかったとすれば、もらえる補助金は2000万円の1/3にあたる約666万円に減ります。

せっかく満額を補助してもいいと評価された事業であったのに、これでは経費明細表の作り方がずさんであったという印象をもたれ、悪いイメージを持たれてしまいます。

そうならないためにも、経費明細表には、必要となる経費を正確に記入することが大切です。

細かい経費は計上しないほうが良い

また、計上した経費に対してのみ補助が行われるからと言って、必要となる経費をあまりにも細かく計上する人がいますが、これもおすすめできません。

経費の申告の際には、どんな経費であれ、経費ごとに細かい書類の提出を求められます。

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このため、あまりにも小さい経費まで計上してしまうと、あとで書類の提出が大変になるよ!

小さな経費のために大きな手間をかけることは、費用対効果が非常に悪く、きっと後悔することになります。

別紙の活用

補助金では、枚数などは制限されているものの、自由に書類を添付して良いとされていることが多いです。

これは必須ではありませんが、補助金を受給するためにも、ぜひ活用すべきです。

申請書ではフォームが決められており、文章や図表を記載するスペースも限られ、思ったように説明できない部分もあると思います。

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そのような場合、別紙で自由に資料を作り、参考資料として提供するのだ!

別紙で分かりやすい資料が添えられており、それが申請書よりも理解しやすいものであったならば、忙しい審査員にとってもありがたい資料となります。

別紙の資料は、パワーポイントなどを使って、視覚的・直感的に分かりやすい内容を心がけるのがポイントです。

この時にも、無秩序に資料を作成するのではなく、ストーリーを考えた上で作成し、資料を体系づけることを忘れないでください。

まとめ

長くなりましたが、以上で補助金の申請書の書き方を終わります。

申請書の目的、審査委員の内実を踏まえ、申請書の重要箇所でポイントを押さえて作成すれば、これらを知らない他社よりも採択されやすくなることは間違いありません。

補助金は、会社の収益として計上されるため、財務的にも良い影響をもたらし、さらに新規事業を資金的に低リスクで取り組めるものです。

手間はかかりますが、手間相応のメリットを確実に与えてくれます。

あなたの会社でも、新規事業展開の資金繰りの一環として、補助金に挑戦してみてはいかがでしょうか。