銀行員とはどう付き合う?付き合いを深めるためにはどうする?

銀行員との付き合いは、経営者にとって欠かせない仕事の一つです。

そのため、銀行員と付き合っていくにあたって、「どう付き合っていけばいい?」「こんな時はどうすればいい?」といった疑問を抱く経営者は少なくありません。

本稿では、そのような疑問の中でも特に多い、投資信託や保険を勧められたらどうすればいいか、プライベートでの付き合いをしたほうがいいのかについて解説していきます。

銀行員との付き合いは重要

会社の資金繰りを健全に保つためには、銀行からの融資が欠かせません。

このため、銀行との付き合いは経営者にとって非常に重要な仕事となります。

経営者が銀行との付き合いを考えるとき、そこに含まれる意味は二通りあります。

つまり、銀行と会社の付き合い」と「銀行員と経営者の付き合いです。

前者は企業同士の付き合いであり、商談としての意味合いを含んでおり、ビジネスライクに(ある意味ドライに)考える必要があります。

後者の付き合いも、ある意味で銀行と会社の付き合いと共通しています。

経営者は自社の利益を重んじており、資金繰りのための融資を考えています。

銀行員も銀行の利益を重んじており、利息収入その他のための融資を考えています。

とはいえ、企業同士の付き合いと比べると、経営者と銀行員の関係は個人同士の付き合いでもあります。

利益を考えることは当然としても、やはり個人的な感情が絡むことは否めないわ。

このため、会社と銀行が本来ならば付き合って当然と思える関係にあっても、経営者と銀行員の個人的な感情のもつれから、うまく取引ができないことがあります。

また逆に、本来ならばスムーズな付き合いが難しい関係にある会社と銀行が、経営者と銀行員の個人的な関係の良さから、取引を続けられることもあります。

したがって、経営者が銀行との付き合いを考えていく上では、自社と銀行とのビジネスライクな関係を考えると同時に、経営者と銀行員との個人間で、良好な関係を築いていくように意識すべきです。

銀行員に媚びを売るなど、必要以上にすり寄っていく必要はありませんが、少なくとも銀行員との関係が悪化しないように気を付け、好感を持たれる付き合いをしていく必要があります。

では、銀行員と良好な関係を築いていくために、経営者はどのように意識するべきなのでしょうか。

良好な関係を築くための基本的なポイントについては、当サイトの他の記事で詳しく述べているので、そちらを参考にしてほしいと思います。

本稿では、良い関係を築いていくにあたって、

  • 「投信や保険にはどう対応する?」
  • 「個人的に食事などしたほうがいい?」

といったよくある疑問についてお話します。

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投資信託や保険について

まず、銀行が販売している投信や保険についてみていきましょう。

90年代後半から、日本では金融の自由化が進んでいきました。

金融の自由化とは、金融業界の垣根が小さくなっていく流れのことです。

それ以前は、同じ金融業界でも、銀行は銀行、証券会社は証券会社、保険会社は保険会社というように棲み分けがなされていました。

このため、銀行の業務の大半は融資・預金・為替に限られていました。

金融の自由化が進んでいくと、銀行の業務は多角化していき、投資信託や保険も取り扱うようになりました。

今ではごく当たり前のことですが、金融業界にとっては大きな変化であったと言えるな。

この変化は、銀行の経営スタイルにも変化をもたらしました。

預金・融資・為替が業務の大半を占めていた時、当然ながら銀行はこの三つに注力しており、特に定期預金を増やすこと、それを貸し出すことが中心業務となっていました。

投信が新たな金融商品として加わると、銀行はそれによって手数料収入を稼げるようになりました。

融資による利息収入と、為替取引による手数料収入だけではなく、投信販売による手数料収入を新たな収入源とすべく、銀行は投信販売にも力を入れていきました。

銀行にとっては、収益の多角化につながるチャンスであり、力を入れるのも当然と言うべきですが、現場の銀行員にとっては手放しに喜べることはありません。

銀行業界は人員削減の流れにあり、銀行員ひとりあたりの業務負担は大きくなっています。

それに加えて、銀行が投信の販売に力を入れ、銀行員にノルマを課すことにより、銀行員の負担は大きくなる一方です。

さらに、金融の自由化の流れが進んだ結果、銀行は投信だけではなく保険も販売するようになりました。銀行が保険に力を入れ始めたのは2010年代に入ってからです。

銀行は、保険販売による手数料収入も収入源とするべく力を入れています。

これによっても、銀行員の負担は大きくなります。

銀行が投信や保険の販売に力を入れたこと、そして銀行員の苦労の甲斐もあってか、近年、銀行の手数料収入はかなり伸びています。

従来ならば、儲けの中心は融資の利ザヤ、つまり貸出金の利回りと預金の利回りの差額だったのですが、今では手数料収入は銀行にとって欠かせない収入源となっています。

販売する銀行員の心理

上記の通り、銀行員は投信や保険の販売ノルマを課せられています。

銀行は過酷な競争社会ですから、ほとんどの銀行員がこのノルマを何とか達成したいと考えています。

銀行員が銀行の収益を伸ばすために、会社に協力を依頼することは珍しくありません。

融資交渉を含む付き合いの中で、会社と銀行の双方にメリットがある形で、協力をお願いをすることもできます。

例えば、無担保融資を出す代わりに定期預金を他行から移してもらう、売掛金の決済口座に指定してもらう、為替取引に利用してもらうなど、取引を広げていくことができます。

ところが、投信や保険の販売となると、会社経営や資金繰りには直接関係のないことです。

そこで、経営者個人をターゲットにするわけですが、普段から緊密な関係にある経営者や、個人的に余裕がある経営者でなければ売り込むことはできません。

うかつに勧めてしまうと、反感を買う可能性もあるぞ。

銀行員のノルマのために経営者との関係が悪化し、銀行と会社の関係にも響くようなことになれば、銀行員自身の評価が悪化する可能性も出てきます。

だからこそ、投信や保険の販売は簡単ではないのです。

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投信や保険を売り込まれたら?

経営者の多くは、投信や保険の勧誘を受けた経験があると思います。

金融商品の勧誘を受けたときには、上記のような銀行員の心理を踏まえて対応するべきです。

銀行員との関係に慎重な経営者は、できるだけ購入したほうがいいと思うでしょう。

また逆に、銀行員との関係はどうあれ、事業に関係ないから断ってしまいたいと考える人もいると思います。

この判断は、結論から言えばどちらでも構いません。

断ったからと言って銀行員との関係が壊れることはありませんから、不要だと思えば断ってよいでしょう。

しかし、購入することが無駄になるとも言い切れません。

経営者と銀行員の関係は個人的な感情を含む付き合いです。

そのため、ノルマに苦しんでいるときに協力してくれる経営者には感謝して当然ですし、それが後々の銀行交渉にいささかなりとも役立つことがあります。

もっとも、これは銀行員の人間性にもよります。

とにかくノルマを達成したいから、色々な経営者に声掛けを行なって、売ってしまえばそれで終わり、購入するも見送るも経営者の自由、特に感謝もなし・・・という銀行員がいるのも事実です。

そのような場合には、購入するだけ無駄かもしれません。

また、不要と判断して購入を見送るにしても、一応話を聞いてみたうえで、「協力してあげたいけれど、今回は見送る」と判断する場合と、問答無用とばかりに断る場合とでは、銀行員の心象は大きく変わります。

あしらわれるように断られてしまえば、いい気はしないでしょう。

融資に直接的な影響はない

以上のことを踏まえて判断するならば、投信や保険の購入に応じても、応じなくても、基本的にはその後の銀行付き合いに影響はないと言えます。

銀行が審査で重視するのは、その会社に融資することによって、どれくらいの収益性が見込めるかということです。

金融商品の購入を断っても、その会社との付き合いに採算性があれば融資しますし、金融商品に積極的に応じても、その会社との付き合いに採算性がなければ融資しません。

会社の採算性とは、色々な意味を含んでいます。

例えば、

  • その会社に融資したとき、きちんと返済されて利息も得られること
  • その会社の為替取引を任せてもらい、手数料収入を得られること
  • その会社に成長性があって、付き合いを深めることで融資や融資外取引が拡大し、大きな収益が期待できること

などが、採算性を量るポイントとなります。

もちろん、このようなもののほかにも、経営者や役員、従業員の給与振込口座に指定する、住宅ローンなどのローンを積極的に利用する、そして投信や保険を購入するなども含めて、総合的に採算性を見ていきます。

このことから、投信や保険といった金融商品を購入することで、採算性でプラスに評価されるのは事実です。

しかし、会社の活動から期待できる採算性と比べればごく一部にすぎませんから、融資審査に大きな影響はないということです。

したがって、

「投信や保険を購入しても、しなくても、融資審査には関係ない。しかし、採算性の観点で考えると無意味とは言えない。また、銀行員の感情面でも無意味とは言えない」

と考えるべきです。

金融商品の勧誘に全て応じる必要はないものの、一応は耳を傾け、銀行員との関係構築を目的と考える上では、必要と思えるものには応じていくというスタンスが良いと思います。

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銀行員との個人的な関係はすべき?

銀行員と良い関係を築くというと、個人的な付き合いをイメージする人も多いものです。

お互いに組織の一員であることを自覚し、そのうえで付き合っていくとなると、どうしても譲れないところが出てきます。

そこで、お互いの仕事は抜きにして、個人的に良い関係を作っていけばよいのではないかと考えるのです。

確かに、人と人の付き合いを深めていくには、お互いの属する集団やアイデンティティがどうであるかを意識しないことがポイントです。

それぞれの生まれた国、肌の色、宗教、信条などに捉われると、関係構築はうまくいかないわよね。

ところが、銀行員にそれを求めるのは困難です。

良くも悪くも、銀行は非常に保守的で厳格な組織であり、銀行員にもそれを求めます。

銀行員と経営者の関係は個人的な関係ともいえますが、それはあるレベルまでのことであり、一線を越えて銀行員と経営者がズブズブの関係になるとは考えにくいです。

上記でも少し触れた通り、銀行は厳しい競争社会であり、数字をこなせずに取り残された銀行員は失格の烙印を押されてしまいます。

そのような環境で苦労している銀行員が、経営者との個人的な関係に溺れ、銀行員としての自覚を失うようなことはほとんどあり得ません。

このため、経営者が銀行員との関係を深めたい、もっとフランクに付き合いたいと考えて、食事やゴルフなどに誘ったとしても、銀行員が応じるとは考えにくいです。

経営者との付き合いで一線を越えてしまえば、融資を断らなければならないときに断りづらくなるので、それを避けようとするのです。

また、本部からの指示で、経営者との個人的な付き合いを禁止されている銀行も多いといいます。

これも、個人的に付き合いを深めることが難しい理由です。

さらに言えば、特定の経営者の誘いに応じてしまうと、誘いを断られた経営者から「なんであの社長は良くて俺はだめなんだ?」という感情を持たれ、関係が悪化する可能性もあります。

そのため、個人的な誘いには応じないと決めたら、すべての誘いを断ることになるのです。

食事に誘わなくても大丈夫

食事などに誘って話したいと考える気持ちもわかりますが、それができない以上、お互いに組織の一員としての立場において、一定のラインを認識したうえで、良い付き合いを構築していくべきです。

食事や飲みの席でなくとも、銀行員と色々なことを話し、関係を深めていくことは可能です。

銀行員を自社に招いて、自社の応接室で話してもよいでしょうし、経営者が銀行を訪問し、銀行の応接室で話しても良いでしょう。

仮に飲み屋で話せたとしても、銀行員が一線を引いている以上、飲み屋でも応接室でも変わりません。

ならば、応接室で話せばいいことです。

特に、銀行員に自社を訪問してもらうのは良い方法です。

経営者のテリトリーでリラックスして話すことができますし、自社の様子を銀行員に見てもらうこともできるよね。

銀行を訪問して話すならば、決算書や事業計画書を用意して、数字をもとに説明するのが限界です。

しかし、自社で話すならば、自社の商品を実際に見せたり、倉庫の中を見せたり、職場の雰囲気を感じてもらったり、決算書や事業計画書だけでは説明できない情報を伝えることができます。

銀行員も、このような具体的な情報を得られるのは良い機会と考えるため、自社に招くことを遠慮する必要はありません。

銀行員としても、資料の数字の裏付けを知りたいと考えているものです。

実際に目で見て確かめた情報は、融資の際の稟議書にも活きることがあります。

例えば、

  • 在庫がやや過剰のきらいがあるが、保管状態は良好であり、販売の見込みも立っている
  • 融資によって導入した設備の稼働状況は良好であり、業績への貢献が見込まれる

といった内容が稟議書に盛り込まれることで、融資実行のためのプラス材料となるのです。

また、銀行員は銀行業務のプロであっても、経営については素人です。

融資を判断するために、すべての業種を広く浅く知っているものの、深い知識はありません。

そのため、銀行員は自社のことをそれほど深く理解していないものですから、自社に招いてきちんと理解してもらうことが、融資に良い影響を与えます。

銀行員と食事などの付き合いを通して融資に役立てようとするよりも、自社に招いて色々な話をする中で融資に役立てていくほうが、よほど現実的であり、効果も期待できます。

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まとめ

銀行員とよい関係を作るためには、銀行員の個人的な感情をくみ取りながら対応していくことが大切です。

投資信託や保険を売り込まれたときも、その点に意識して対応することができれば、何らかの形で融資交渉に活きてくる可能性があります。

しかし、個人的な関係といっても、一線を越えた関係になることはあまり考えられません。

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経営者もその点をわきまえて、応接室で話しながら関係を深めていくことを意識しよう!

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