どんぶり勘定はなぜ危険?どんぶり勘定で抜け落ちている計算とは

資金繰りに行き詰る経営者に多い特徴として、「どんぶり勘定」が挙げられます。

頭の中だけで資金繰りを考え、詳しい数値で把握していません。

そのために、ある日突然うまくいかなくなり、資金調達にも間に合わず、資金がショートしてしまうのです。

また、黒字と思い込んでいたはずが、実は赤字だったということもよくあります。

では、どんぶり勘定のどこに問題があるのでしょうか。

本稿では、どんぶり勘定に抜け落ちている要素について解説していきます。

どんぶり勘定である経営者の考え方

中小企業の経営者の多くが、資金繰りを詳しく把握していません。

資金繰り表や貸借対照表の中身をよく知らないのはもちろんのこと、損益計算書には関心があるように見えても、実際には粗利ばかりに注目している経営者が非常に多いのです。

粗利とは、売上から原価を引いた後に残るもので、売上総利益ともいわれます。

粗利さえも把握していなければ、とても経営を回していくことはできません。

したがって、粗利を見ている経営者に対して、「粗利は把握している」という評価もできるわけですが、粗利だけで資金繰りがうまく回るわけではありません

中には、粗利だけではなく、従業員の給料も考えている経営者もいます。

従業員の給料は資金繰りに大きな影響があるため、それについてはしっかり把握しているのです。

この場合、経営者の頭の中における資金繰りでは、売上から原価を差し引き(粗利)、そこから従業員の給料を支払って、さらに大雑把な経費も引いて、最終的な利益がなんとなく残ると考えて、「よし、わが社の経営はうまくいっている」と考えるのです。

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どんぶり勘定では見込み違いが起きる

しかし、これは言うまでもなくどんぶり勘定です。

売上から原価を引いた粗利については、ある程度正確に計算されるかもしれませんし、従業員の給料も大きく変動するものではないため、ここでも正確に近い計算ができるでしょう。

大雑把に引かれる経費も、特別な理由がない限り大きく変動しないことが多いため、そこそこ計算できているように感じると思います。

ならば、なぜどんぶり勘定はうまくいかないのでしょうか。

それは、頭の中でのどんぶり勘定と、実際の資金繰りや損益計算書にはズレがあるからです。

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頭の中でのざっくりとした収支計算と、実際の収支計算は、実生活においてもズレることがよくあるわ。

例えば、1万円の収入があったとして、それを財布に入れてあれこれと買い物をしたとき、いざレジで会計してみると、頭の中で計算していたよりもずっと多かった、ということがあります。

個人の家計でもこのような見込み違いが起きるのです。

個人の家計よりもずっと複雑な会社の財務では、見込み違いが起きる可能性は高いと言えます

会社の財務においては、従業員の給料など正確につかんでいる経費もあれば、把握していない経費が発生していることも多く、それが見込み違いにつながるのです。

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どんぶり勘定で抜け落ちている計算の例

どんぶり勘定の失敗は、経費だけが原因ではありません。以下のように、色々な原因で失敗に陥ります。

消費税を使い込んでしまう

どんぶり勘定を破綻させる原因としてよく見られるのは、消費税の見落としです。

どんぶり勘定では、入金された金額を全て売上と考え、粗利以下の計算を頭の中で片づけ「うまくいっている」と思い込んでしまうことが多いです。

実際には、その入金の一部は消費税であり、売上ではありません。

入金に含まれている消費税は、その都度国に納めるのは大変ですから、一時的に会社の預かりとしておき、決算期に納めます。

ところが、口座に入っているお金ですから、ともすると会社の売上と勘違いしてしまうのです。

そして、決算期を迎えたときに、「消費税を使い込んでしまった」と慌てることになります。

自分の中では黒字だと思っていても、消費税にあたる8%相当の見込み違いが起きているのですから、それを考慮すれば赤字に転落してしまうこともあります。

さらに、法人税は銀行から短期資金として融資を受けることができますが、消費税の融資を受けることはできません

法人税は、利益の中から支払うものですが、その利益をすでに事業に使っている会社は支払うことができないため、銀行からの融資で賄う必要があります。

そのことに何の問題もありません。

しかし、消費税は取引先から一時的に預かっておき、それを決算期に納税に回すものです。

一時的に預かっているものを使い込んでいるのですから、それは会社の落ち度であり、厳しい見方をすれば会社の裁量で使ってはならない資金を横領(他人・公共のものを不法に自分のものとすること)したという見方もできます。

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そのような会社に対して、銀行が資金を供給し、消費税を立て替えることはできないのだ!

銀行は民間企業でありながら、公的使命も帯びているため、会社の間違った資金繰りを支援することはできないのです。

減価償却費を忘れて赤字になってしまう

どんぶり勘定の失敗の原因として、ほかにも良くみられる原因と言えば「減価償却費」です。

減価償却費は、固定資産の購入時に一括して支払った資金に対し、それをまとめて経費計上すると業績が大きく悪化することから、償却年数に分割して計上していくものです。

実際の現金は購入時に出ているため、毎年計上される減価償却費は机上の経費と言えます。

だからこそ、どんぶり勘定の経営者の頭の中からは、すっかり忘れ去られていることが多いです。

このため、頭の中では黒字のはずが、いざ決算の際に減価償却費が引かれたことで、赤字になってしまうことがあるのです。

支払利息を忘れて資金繰りに行き詰まってしまう

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このほかには、支払利息も見落とされがちと言えるでだろう。

融資を受ける際には、金利はどれくらいかという意識もありますから、支払利息も考えています。

しかし、無事に借入れができてしまうと、金利のことはすっかり忘れてしまうのです。

実際には、毎月の支払利息によって資金繰りには影響がありますし、経費にも利息分が加算されて損益計算に影響します。

少額の借入れであれば、支払利息も少額ですから、どんぶり勘定から抜け落ちていたとしても、たちまち行き詰る原因にはなりにくいです。

しかし、借入れが大きければ支払利息は大きくなり、思わぬ見込み違いを起こす可能性は高まります。

また、支払利息の多寡にかかわらず、長期的に見れば、会社経営ではたくさんの利息を支払っていくのです。

長期にわたって利息を考慮しないどんぶり勘定を続けていれば、その影響も無視できないものになってくるでしょう。

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どんぶり勘定が経営難を招く

消費税や減価償却費、支払利息などを考慮せず、どんぶり勘定になっていれば、資金繰りがうまくいかない可能性が高いなかで、経営していくことになります。

見込み違いによって、黒字のはずが赤字になってしまう可能性もあります。

どんな理由があるにせよ、赤字は良いものではありません。

融資をスムーズに受けたい場合には、黒字を維持するのが鉄則です。

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2期連続の赤字に陥ると、融資を受けることは困難になるわ。

もちろん、外部の影響を受けやすい中小企業は、赤字になってしまうこともよくあります。

このため、赤字転落の原因をしっかりと説明し、大きな問題がなければ融資を受けられることも多いです。

しかし、赤字の原因が、「黒字だと思っていたのですが、消費税/減価償却費/支払利息を考慮していなかったのです」ということであれば、印象はかなり悪いでしょう。

そのようなどんぶり勘定の会社は資金繰りも不安定になりがちであり、できれば貸したくないというのが銀行の本音だからです。

資金繰りをうまくコントロールしていくためにも、また悪いレッテルを貼られてしまわないためにも、どんぶり勘定の経営者はすぐに改めるべきなのです。

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まとめ

どんぶり勘定は良くないことについて、異論はないと思います。

しかし、どんぶり勘定がなぜ悪いかということについては、表面的なことしか述べられないことも多く、果たしてどこに問題があるのか分かっていない人も少なくありません。

本稿で解説した通り、どんぶり勘定では、必ず考慮しなければいけない要素が抜け落ちていることによって、見込み違いを引き起こすのです。

資金繰りがショートしたり、黒字のはずが赤字になってしまったりすることがあります。

どんぶり勘定から脱却するには、資金繰り表を作ったり、決算書を読んだりするのがベストです。

しかし、なかなかきっかけがつかめない人は、まずは本稿で紹介した要素を考えてみて、自分の認識のズレを確認してみることをお勧めします。

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