新型コロナウイルス対策に雇用調整助成金の活用を!緩和措置の詳細と活用のポイント

政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、全国の学校に休校を要請したり、様々なイベントの中止を要請したりしています。

これにより、子供の面倒を見なければならない親が休暇を希望したり、業務がままならない期間は従業員の出勤を制限したりする会社が増えています。

政府はこれに対し、雇用調整助成金を手厚くすることで支援を図っています。

本稿では、雇用調整助成金の緩和措置と、活用のポイントについて解説します。

新型コロナウイルス拡大と出勤への影響

新型コロナウイルスの拡大が止まらず、全世界での感染者と死者が加速度的に増加しています。

最近になって急速に拡大が進んでいる欧米諸国では、移動の制限を厳格化する動きも強くなっており、経済的な影響は非常に大きくなるものと予測されます。

日本での経済的悪影響は、特に甚大なものになる可能性があります。

なぜならば、新型コロナウイルスが鎮静化しなかった場合、今年開催予定であったオリンピックが延期される懸念があるためです。

このため、政府は国内での感染拡大を防止するために、あらゆる手段を実行に移しているわ。

中でも、

  • 全国の学校に休校を要請する
  • 人が集まる様々なイベントの中止を要請する

といった取り組みは、感染の徹底的な封じ込めを意識したものです。

ところが、これらの取り組みによって、従業員の働き方に影響が出ている会社が増えています。

休校によって子供が自宅に待機するようになれば、子供を持つ家庭では、養育のために出勤できない親が増えます。

また、大小様々なイベントが中止されれば、それに関連する会社では仕事が急激に減ってしまい、人手を持て余すことになります。

もちろん、職場に人が集まること自体を避けるために、出勤を調整する会社も多いです。

当然ながら、このような変化によって従業員の出勤を制限せざるを得なくなったとしても、会社の独断で解雇することはできません。

休業させつつ、人件費を負担する必要があります。

ただでさえ、新型コロナウイルスの影響で消費が落ち込んでおり、売上の減少に直面し、資金繰りが厳しい会社が増えているんだ。

従業員をうまく休業させ、人件費負担を軽減することが欠かせません。

緊急貸付制度+雇用調整助成金で対応

そこで政府は、雇用調整助成金を手厚くすることで、会社が従業員を休業させやすいよう支援しています。

まずは、セーフティネット保証やセーフティネット貸付といった緊急貸付制度によって資金を調達することが最優先となります。

それ以降、調達した資金で資金繰りをできるだけ長く安定させるためにも、雇用調整助成金を活用するべきです。

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雇用調整助成金の基本

まず、雇用調整助成金の基本についてですが、雇用調整助成金は、

景気の後退等、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用を維持した場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するもの

と定められています。

新型コロナウイルスによって、子供の休校による休業、事業の縮小による休業など、様々な形で休業の必要が生じていますが、このような新型コロナウイルスを原因とする雇用調整を実施する会社では、雇用調整助成金を受給できる可能性が高いです。

新型コロナウイルス対策では休業が基本

雇用調整助成金の対象となるのは、休業・教育訓練・出向のいずれかですが、今回の新型コロナウイルス対策では、基本的に休業による雇用調整となるでしょう。

というのも、雇用調整における休業とは、生産量の変動に機動的に対応する場合や、比較的短期間のうちに生産量の回復が見込まれる場合など、短期間の雇用調整を目的とするものです。

新型コロナウイルスの進展は先が読めないものの、比較的短期間の雇用調整になると考えられるため、休業を選ぶことになります。

もちろん、制度としては教育訓練・出向も助成の対象となっています。

しかし、今回のケースでは感染拡大防止が目的だ。

そのため、教育訓練のために人が集まったり、出向のために地域間を人が往来したりすることは好ましくありません。

したがって、本稿の解説では全て休業を前提に解説しています。

休業の定義

なお、雇用調整助成金で定める休業とは、

労働者がその事業所において、所定労働日に働く意思と能力があるにもかかわらず、労働することができない状態

と定めています。

したがって、

  • ストライキ中や有給休暇中のように労働の意思そのものがない
  • 疾病等による休暇中のように労働能力を喪失している

などの場合には休業とみなされず、雇用調整助成金の対象にもなりません。

もっとも、今回のケースでは、子供の休校や事業活動の縮小などを理由に雇用を調整するものですから、問題なく休業として認められるはずです。

短時間休業もOK

雇用調整の方法には、一定期間に渡って完全に休業させる場合もあれば、所定労働時間内の一部を休業とする短時間休業もあります。

雇用調整助成金では、短時間休業も助成の対象としています。

ただし、普通の休業では一部の従業員だけを休業させることもできるのに対し、短時間休業では、全従業員について一斉に、一時間以上の短時間休業を実施する必要があります。

自社の雇用調整で、どちらがより役立つかをしっかり考えて実施することが大切です。

在宅勤務は対象外

注意したいのが、在宅勤務です。

感染拡大防止のために出社を禁止し、在宅勤務を導入する会社も増えていますが、これは業務に従事しているため休業とはみなされません。

このため、在宅勤務で成果を挙げられる体制が整っていない会社では、無理に在宅勤務を実施するよりも、思い切って休業に踏み切り、雇用調整助成金を受給したほうがよい場合があります。

支給額

雇用調整助成金の支給額は、

  • 中小企業:休業手当の2/3
  • 大企業:休業手当の1/2

(ただし、対象労働者1人当たり8330円が上限)

となります。

なお、休業手当は労働基準法第26条の規定によって、平均賃金額の6割以上と定められています。

したがって、中小企業ならばこの2/3相当額を、1人当たり8330円まで受給できる勘定になります。

短時間休業の場合

短時間休業の休業手当は、休業時間を30分単位とし、30分未満は切り捨てて算出します。

雇用調整助成金の支給額も、休業手当を時間単位で換算したものについて支給されます。

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新型コロナウイルスに伴う緩和措置

以上が、雇用調整助成金の基本的な仕組みです。

現在は、新型コロナウイルスに伴う緩和措置が実施されたことにより、基本的な仕組みが以下のように変更されています(緩和措置は、休業の初日が令和2年7月23日までのものを対象とします)。

受給要件

まず、受給要件が大幅に緩和されています。

平常時の要件

平常時の雇用調整助成金では、受給要件となる「事業活動の縮小」を、以下のように定めています。

  • 売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近3ヶ月間の月平均値が前年同期に比べ、10%以上減少していること
  •  雇用保険被保険者数および受け入れている派遣労働者の最近3ヶ月間の月平均値が、前年同期と比べ、大企業の場合は5%を超えてかつ6人以上、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上増加していないこと

※前年同期と比較できる事業主が対象であり、事業所設置後1年未満の事業主は支給対象とならない

この要件では、以下のような会社が雇用調整助成金を受給できません。

  • 事業所を設置してから1年未満である
  • 2~3ヶ月前は影響が軽かったが、最近の1ヶ月で深刻になった(3ヶ月平均では生産指標が10%以上低下しておらず雇用調整助成金を受給できない)
  • 新型コロナウイルスの影響が軽微だったため雇用量を増やした。しかし、その後雇用調整の必要が生じた(3か月平均の雇用量が規定以上に増加しており、雇用調整助成金を受給できない)

緩和措置とポイント

これらの点に関して、次のように大幅な緩和措置が取られています。

  • 事業所設置後1年未満の場合にも、令和元年12月と、休業等計画届を提出する前月の生産指標を比較し、10%以上低下していれば支給対象とする
  • 事業所設置後1年以上の場合には、生産指標の確認期間を「3ヶ月」から「最近の1ヶ月」に変更する
  • 雇用量要件は撤廃し、雇用量が規定以上に増加している場合でも支給対象とする

これらの緩和措置によって、従来よりも受給しやすくなったわ。

対象労働者

休業によって雇用調整助成金の支給対象となる労働者の要件も緩和されています。

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平常時の要件

平常時の雇用調整助成金では、

  • 休業等を行った日の属する判定基礎期間の初日の前日、または出向を開始する日の前日まで、同一の事業主に引き続き被保険者として雇用された期間が6ヵ月未満である労働者

を、支給の対象と見なしていません。

緩和措置とポイント

この点について、6ヶ月未満の労働者を休業させた分についても、助成対象となるよう緩和措置が取られています。

この措置により、最近の6ヶ月以内に雇用した新人の従業員も、助成金を受給しながら休業させることができます。

このような従業員は経験が浅いため戦力になりにくく、特に緊急時には持て余してしまうことが多いため、雇用調整の際には真っ先に休業を検討したいはずです。

緩和措置により、そのような調整も認められるようになっているので、新人も含め柔軟な雇用調整を検討すると良いだろう。

休業等計画届

雇用調整助成金を受給するためには、雇用調整措置を実施するにあたり、事前に休業等計画届を都道府県労働局またはハローワークに提出しなければなりません。

平常時の要件

平常時、休業等計画届の提出期限は、休業等を開始する日の前日までとなっています。

さらに、初回の届出の場合は、休業等の初日の2週間前までをめどに提出することが推奨されています。

緩和措置とポイント

今回の緩和措置により、休業等計画届の事前提出が要件ではなくなりました。

令和1月24日以降に開始した休業については、令和2年5月31日まで事後提出が認められます。

この期間中であれば、事後提出した計画届が、休業前に提出したものとして取り扱われます。

今回の場合、緊急的に雇用調整を検討する会社も多いことでしょう。

事後提出が認められたため、機動的に休業に踏み切ることができます。

※緩和措置の適用は令和2年7月23日までとなっていますが、計画届の事後提出が令和2年5月31日に間に合わなかった場合、緩和措置が適用されないため注意が必要です。

支給上限日数

支給上限日数についても、大幅に緩和されています。

平常時の要件

平常時の雇用調整助成金では、支給上限日数を以下のように定めています。

  • 雇用調整を開始した初日から1年以内に最大100日分を上限とする
  • 過去3年間では、最大150日分を上限とする

緩和措置とポイント

緩和措置によって、支給上限日数が大幅に改善されました。

緩和措置の期間内であれば、過去の受給日数に関わらず(過去の受給日数を差し引くことなく)支給限度日数まで受給することができます。

過去に受給している会社でも、制限を受けることなく受給できるため、自社の状況に合わせて存分に活用していきましょう。

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まとめ

本稿で解説した通り、雇用調整助成金で大幅な緩和措置が実施されています。

新型コロナウイルスに伴い、従業員の出勤を調整する必要に迫られている会社では、ぜひ雇用調整助成金を活用すべきです。

政府のあらゆる支援策を十分に活用していくためには、まずセーフティネット保証やセーフティネット貸付といった制度を活用して当面の資金を調達しておき、さらに雇用調整助成金を活用して従業員を休ませるのがおすすめです。

今後、感染は徐々に収束に向かい、経済活動も正常化していくはずです。

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