新型コロナウイルス対策で危機関連保証が発動。さらに2億8000万円の保証枠が使える

新型コロナウイルス対策のために、政府は矢継ぎ早に対応策を打ち出しています。

その一つが、信用保証協会の保証の拡充であり、すでにセーフティネット保証4号・5号による支援が実施されていました。

さらに、これに加えて「危機関連保証」の実施が発表されました。

これにより、信用保証協会の保証額が拡大したため、資金繰りが厳しい中小企業は是非活用を検討すべきです。

本稿では、危機関連保証について解説していきます。

信用保証協会の保証枠について

企業が金融機関から融資を受ける際、よほど業績・財務が安定している企業や、十分な担保を差し入れられる企業でなければ、金融機関が単独で融資を実行する「プロパー融資」は受けられません。

しかし実際には、業績・財務に何らかの問題があり、資金繰りがうまくいかずに融資を望む企業が多いです。

特に中小企業では十分な担保も持っていないため、プロパー融資を受けられる会社は少ないものです。

このとき、融資を受ける大きな助けとなるのが信用保証協会よ。

信用保証協会の保証を受けることにより、企業の債務の大部分が信用保証協会の保証と紐づけられるため、金融機関はリスクを回避することができ、融資を実行しやすくなるのです。

もっとも、信用保証協会の保証枠には上限があります。

無担保で8000万円、有担保で2億8000万円と決められており、保証を受ける企業の実態に応じて保証上限が決定されます。

したがって、すでに保証枠いっぱいまで保証を受け、保証付融資を受けている中小企業も多いです。

そのような企業ではいざという時に追加融資を受けられず、資金繰りが行き詰ってしまうことがあります。

緊急対応策第1弾

今年に入ってから、新型コロナウイルスが猛威を振るっています。

これが企業の業績と財務を直撃しており、資金難に直面する企業が急増しています。

経営困難に直面している企業は、金融機関からの融資を受けることが容易ではありません。

そんな時、信用保証協会の保証付融資が唯一の方法になるのですが、すでに保証枠を使い切っている企業も多いことから、政府はこれを支援するために、保証枠の拡大措置を実施しています。

まず打ち出されたのが、セーフティネット保証です。

セーフティネット保証には4号と5号があり、いずれも2億8000万円の一般保証枠とは別枠で、さらに2億8000万円の保証を受けることができます(ただし、4号・5号の保証枠は共有)。

セーフティネット保証について、詳しくはこちら!

緊急対応策第2段も

また、セーフティネット保証だけでは対処できない中小企業のために、「危機関連保証」の実施も発表されています。

危機関連保証について、中小企業庁は以下のように定義しています。

内外の金融秩序の混乱その他の事象が突発的に生じたため、全国的な資金繰りの状況を示す客観的な指標である資金繰りDI等が、リーマンショック時や東日本大震災時等と同程度に短期かつ急速に低下することにより、我が国の中小企業について著しい信用の収縮が全国的に生じていることが確認でき、国として危機関連保証を実施する必要があると認める場合に、実際に売上高等が減少している中小企業者を支援するための措置

危機関連保証は平成30年4月1日に施行された制度であり、実施されたのは今回が初めてです。

新型コロナウイルスの影響が、過去に日本経済に大打撃をもたらしたリーマンショックや東日本大震災と同レベルであり、政府が緊急的な対応に動いている様子が分かります。

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危機関連保証の概要

危機関連保証は、信用保証協会の一般保証枠、セーフティネット保証4号・5号の保証枠に加えて、さらに別枠で2億8000万円の保証枠を設ける制度です。

つまり、危機関連保証の実施によって、中小企業は一般保証枠と併せて最大8憶4000万円までの保証を受けられることになります。

セーフティネット保証との違い

セーフティネット保証と危機関連保証は、どちらも緊急時に2億8000万円の保証枠を拡充するものですが、両制度には以下のような違いがあります。

セーフティネット保証4号 セーフティネット保証5号 危機関連保証
保証枠 2.8億円
(4号・5号で共有)
2.8億円
保証率 100% 80% 100%
対象地域・業種 指定地域のみを対象
(今回は日本全国を対象)
指定業種のみを対象
(3月23日現在508業種を対象)
全国・全業種を対象
売上高要件 前年同月比20%以上減少 前年同月比5%以上減少 前年同月比15%以上減少

制度ごとの違いを掻い摘んでみると、以下の通りです。

保証率の違い

まず、セーフティネット保証の保証率は、4号が100%保証、5号が80%保証となっています。

これに対し、危機関連保証では債務の100%を保証しています。

危機関連保証は、セーフティネット保証4号と同じ100%保証となっており、金融機関のリスクを大きく引き下げ、融資を受けやすい仕組みとなっています。

対象地域・業種

今回のケースでは、セーフティネット保証4号は日本全国を対象としていますが、本来は影響が深刻な地域に限定して実施される制度です。

また、セーフティネット保証5号は地域の制約がないものの、対象業種が限られています。

これに対し、危機関連保証は全国・全業種を対象とする制度であり、より多くの企業が利用しやすい仕組みとなっています。

売上高要件

特に注目したいのが、売上高に関する要件です。

セーフティネット保証と危機関連保証では、最近1ヶ月の前年同月比と、その後2ヶ月を含む3ヶ月間の前年同期比の売上高減少率の要件が異なります。

セーフティネット保証4号では売上高減少率20%以上を要件としており、ややハードルが高めとなっているぞ。

セーフティネット保証5号は売上高減少率5%以上であり、対象となる企業も多いのですが、保証率は80%であり、対象業種も限られています。

一方、危機関連保証では、売上高減少率の要件が15%以上となっています。

セーフティネット保証4号と同じ100%保証でありながら、この要件がやや緩く設定されているのが特徴です。

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制度ごとの使い分けを

セーフティネット保証と危機関連保証には、上記のような違いがあります。

そのため、自社の資金繰りにより役立つ制度を選んで活用することが大切です。

注目したいのは、セーフティネット保証と危機関連保証を使う順序は特に決められていないことね。

政府は、まずセーフティネット保証を実施し、後に危機関連保証を実施しています。

そのことから、企業が活用する流れも「セーフティネット保証→危機関連保証」というイメージになりやすいのですが、そのような制約はありません。

セーフティネット保証と危機関連保証を比較すると、以下のような理由から、危機関連保証を優先的に活用するのがおすすめです。

融資までのスピード

まず、上記で比較した通り、危機関連保証はセーフティネット保証4号と同じ債務100%保証であり、融資がスムーズに出やすい制度です。

さらに、セーフティネット保証4号よりも売上高減少率の要件が低く設定されているため、この点でも利用しやすくなっています。

資金繰りが危ない会社では、とにかくスピーディに融資を受けることが重要です。

融資までのスピードを重視するならば、危機関連保証を優先的に使うのがおすすめです。

自治体ごとの支援

融資実行スピードと併せて注目したいのが、地域の景気悪化を防ぐために、各自治体が独自に実施している支援です。

3月23日現在、いくつかの自治体が、危機関連保証にあわせた支援策を打ち出しています。

例えば、以下のような支援策があります。

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福岡県北九州市の支援策

  • 信用保証協会の保証料をゼロとする
  • 貸出金利を0.9%に引き下げる

愛知県稲沢市の支援策

  • 信用保証協会の保証料を全額助成

保証料とは、保証を受けるにあたって信用保証協会に支払う手数料のことです。

保証料率は、都道府県ごとの信用保証協会によって異なります。

セーフティネット保証や危機関連保証など、緊急時の保証制度では保証料率が引き下げられますが、それでも0.8%以内の保証料が課せられます。

例えば、セーフティネット保証や危機関連保証で2億8000万円の融資を受けたとき、保証料率が0.8%であれば、保証料は224万円になります。

資金繰りが苦しい会社にとって、無視できない負担と言えるな。

自治体の支援によって、保証料を助成してもらえるならば、このような負担を避けることができます。

また、北九州市の例のように、金利の引き下げを受けられる可能性もあります。

多額の融資を受けるのですから、たとえわずかであっても、金利の引き下げ効果は大きいです。

現在は、独自に支援策を打ち出している自治体は多くありませんが、今後の進展に伴って支援を実施する自治体も増えてくると思います。

自社の属する自治体が支援してくれるならば、危機関連保証を積極的に使っていくべきでしょう。

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まとめ

新型コロナウイルスの拡大は収束の兆しが見えず、中小企業の資金繰りにも長期的に影響する可能性があります。

それに備えるためにも、政府の支援制度を積極的に活用し、手元資金を確保しておくことが重要です。

今回発動された危機関連保証は、自治体ごとに支援を受けられるケースもあり、ぜひ活用したい制度です。

これらの制度のほかにも、雇用調整助成金などによる支援も手厚くなっています。

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今後新たに打ち出される支援策も含め、自社に役立つ制度を漏れなく活用していこう!

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