雇用の際に活用すべきはトライアル雇用助成金か?キャリアアップ助成金か?

人材を雇用するにあたり、利用できる助成金には色々なものがあります。

中でも、トライアル雇用助成金とキャリアアップ助成金は、多くの会社が利用できるスタンダードなものです。

では、実際に雇用するとき、いずれの助成金を利用するべきなのでしょうか。

これを正しく判断していくためには、それぞれの助成金の目的や仕組みの違いを理解することが大切です。

本稿では、雇用にあたって助成金をフル活用するために、トライアル雇用助成金とキャリアアップ助成金の違いと、受給額を最大化するための考え方について解説していきます。

人材不足解消に助成金を活用する

深刻な人材不足を抱えている中小企業が多い昨今、なんとか人材を確保したい、しかし人件費負担が増えるのは困る、というジレンマを抱えている会社は多いはずです。

そこで利用したいのが、厚生労働省が実施している助成金制度です。

助成金制度は、経済成長が鈍化している日本経済へのカンフル剤として、政府が主に中小企業を対象に実施している制度です。

助成金制度では、労働環境を整備したり、生産性を向上したりした会社に助成金を支給することにより、企業の取り組みを促進しています。

意欲的な労働者が増えることで経済が活性化し、さらに生産性が向上すれば、労働者一人当たりの生産性が高まります。

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その結果、日本経済の成長にもつながるというわけだ!

このような意図を以て実施されている助成金制度ですから、人材不足に悩む中小企業の強い味方になってくれます。

これから従業員を雇い入れる会社や、契約労働者を正規雇用に転換したりした会社では、助成金を受給することができます。

そのため、人件費負担を軽減しつつ、人材不足解消に取り組むことができるのです。

使える助成金は2種類

これから人材を雇い入れるときに利用できる代表的な助成金には、トライアル雇用助成金と、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の2種類があります。

それぞれの助成金を簡単に説明すると、以下のような制度です。

【トライアル雇用助成金】

トライアル雇用助成金は、これから人材を雇用したいものの、一定期間働いてもらってから検討したいという場合に利用できるものです。

1ヶ月に1人当たり最大4万円、最長3か月間にわたって受給することができます。

したがって、支給総額は最大で12万円となります。

この助成金は、トライアル雇用の従業員が3か月間のトライアル雇用期間を満了した後期間の定めがない常用雇用によって雇い入れることで、受給要件が達成されます。

もちろん、トライアル期間で従業員に適性がないと判断した場合には、3ヶ月を以て雇用を終了することもできます。この場合、助成金を受給することはできません。

資金繰りが厳しく、人材不足への取り組みを慎重に進めたい会社に役立つ助成金と言えます。

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【キャリアアップ助成金(正社員化コース)】

キャリアアップ助成金には、全部で7つのコースがありますが、新規の雇い入れに伴って利用できるのは正社員化コースです。

正社員化コースでは、有期契約から無期雇用へ、有期契約から正規雇用へ、無期雇用から正規雇用へといった転換を行った際に助成金を受給できる助成金です。

転換の内容によって、助成金の支給額は以下のように変化します。

基本的な支給額 生産性が6%向上している場合
有期契約から正規雇用へ転換 1人当たり57万円 1人当たり72万円
有期契約から無期雇用へ転換 1人当たり28万5000円 1人当たり36万円
無期雇用から正規雇用へ転換 1人当たり28万5000円 1人当たり36万円

なお、正社員化コースで受給要件を満たすためには次の実地が必要です。

  • 事前に6ヶ月間にわたって雇用した後に転換を実施する
  • 転換にあたっては転換前よりも賃金を5%以上アップする
  • 転換後6ヶ月にわたって雇用を継続する

このため、雇用から受給までには1年間を要することとなります。

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基本はキャリアアップ助成金をつかうべき

では、人材を雇い入れるにあたって、トライアル雇用助成金とキャリアアップ助成金のどちらを利用するのが良いのでしょうか。

トライアル雇用助成金では、受給要件を満たすまでの期間が3ヶ月であり、キャリアアップ助成金では1年間となっていることから、トライアル雇用助成金のほうが短期間で受給できます。

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しかし、トライアル雇用助成金では、満額受給しても12万円が精いっぱいよ!

それ対し、キャリアアップ助成金で有期契約から正規雇用へ転換した場合には、転換のみでも1人当たり57万円を受給できます。

さらに生産性が向上している場合には1人当たり72万円を受給することができるのです。

キャリアアップ助成金は、トライアル雇用助成金の4倍の期間を要しますが、それを含めてもキャリアアップ助成金のほうが受給額は大きくなるため、正規雇用を見据えているならばキャリアアップ助成金のほうがメリットが大きいと言えます。

無期雇用の場合はどうか?

上記のように、正規雇用を前提とした場合には、キャリアアップ助成金を利用すべきです。

では、正規雇用を増やすのではなく、単に無期雇用を増やすことを考えているならばどうでしょうか。

3ヶ月で受給要件を満たすトライアル雇用助成金のほうが、メリットが大きいと考える人もいるかもしれません。

上記の表の通り、有期契約から無期雇用に転換する場合には、キャリアアップ助成金では基本の場合で28.5万円、生産性向上の場合で36万円の受給となります。要する期間は1年間です。

トライアル雇用助成金では、3ヶ月のトライアル期間の後、無期雇用として採用することで、最大12万円の受給となります。

したがって、単に受給期間を軸として考えると、キャリアアップ助成金では1年間で28.5~36万円です。

それに対しトライアル雇用助成金は「1年間で48万円の受給」となり、トライアル雇用助成金のほうが受給総額は大きくなります

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しかし、トライアル雇用助成金をこのように使うと、後が大変だ!

受給額の最大化のために、1年間で4人も雇い入れており、人件費負担が重くなるからです。

このため、必要以上の人材を雇い入れないためにも、キャリアアップ助成金にしっかりと取り組み、1人当たりの助成金受給額もたくさん受け取ったほうが賢明です。

最初から4人の無期雇用を雇い入れる予定であれば、無期雇用への転換を見据えてキャリアアップ助成金を4人同時に進めれば、1年間で114~144万円も受給することができます。

この意味でも、人材を雇い入れる際には、基本的にはトライアル雇用助成金よりもキャリアアップ助成金のほうが優れていると言えます。

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トライアル雇用助成金の使い道

上記のように、トライアル雇用助成金を使うくらいならば、最初からキャリアアップ助成金を利用しておいたほうが良い結果につながることが多いです。

ならば、トライアル雇用助成金の使い道は全くないのかというとそうではありません。

そもそも、トライアル雇用助成金の最大のメリットは、「3ヶ月間で12万円の助成金を受給できること」ではなく、「3ヶ月間だけ、トライアルで雇用できること」です。

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12万円の助成金は、それに付随するオマケ的なものだ。

良い人材かどうかわからない人、例えば全くの未経験者や、普通ならば就労が難しいニートやフリーターといった人材を雇う場合には、「もし能力的に問題があれば、雇用関係をできるだけ早く打ち切りたい」と考えるはずです。

トライアル雇用助成金ならば、3ヶ月のトライアル期間の後、常用雇用として採用するか、その時点で打ち切るかを決めることができます。

これは、トライアル雇用では、事前に3ヶ月間の有期雇用契約を結んで雇うからです。

3ヶ月間で問題ありと判断した人材は、契約を更新せずに雇用を打ち切ることができるのです。

しかし、そのような人材をトライアル雇用助成金ではなく、キャリアアップ助成金で雇用した場合には、中途で打ち切りができなくなります。

キャリアアップ助成金の受給要件を満たすためには、雇用期間が6ヶ月以上の労働者を転換することが前提となっています。

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そのため、どんなに短くとも6ヶ月以上の有期雇用契約を結んで雇う必要があるのよ!

6ヶ月の雇用の後、無期雇用や正規雇用で雇ってよいと判断すれば転換し、無理だと判断すれば6ヶ月を以て契約を打ち切ることとなります。

すぐさま解雇したいと考えても、会社都合で退職者を出すと、助成金を受給できなくなる可能性が高いため、有期契約満了まで雇い続けなければなりません。

このように、全く適性の分からない、不安な人材を雇用するにあたっては、雇用しなかった場合を見据えて、トライアル雇用助成金を利用したほうが良い場合もあるのです。

どのような人材を雇い入れるかによって、トライアル雇用助成金とキャリアアップ助成金のどちらを利用すべきか、判断が変わってきます。

基本的には、次のように考えましょう。

  • 前向きに雇用するつもりであれば、受給額の大きいキャリアアップ助成金を利用する
  • 人材の能力や適性に不安がある場合には、3ヶ月で契約を打ち切れるトライア雇用助成金を利用する

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まとめ

本稿で解説した通り、トライアル雇用助成金とキャリアアップ助成金はどちらも雇用に関わる助成金ですが、使い方には明らかな違いがあります。

それをしっかり理解していなければ、受給額を最大化することはできませんし、せっかくの仕組みを活かしていくこともできません。

トライアルで雇用すべき人材をキャリアアップ助成金の前提で雇い入れ、能力不足の人材を雇い入れてしまうリスクが生じる可能性もあるでしょう。

そのような失敗を犯さないためにも、トライアル雇用助成金とキャリアアップ助成金の目的や仕組みの違い、併用の際の正しい考え方を理解し、しっかりと取り組んでいきましょう。

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